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ライトニング・シーズが初来日! Billboard Liveで最強サッカー・アンセム“Three Lions”を大合唱しよう

ライトニング・シーズが初来日! Billboard Liveで最強サッカー・アンセム“Three Lions”を大合唱しよう

エコー&ザ・バニーメンやペイル・ファウンテインズら80年代ポスト・パンク期のバンドからコーラルやズートンズといった2000年代以降のバンドまで、数多くの作品でプロデュースを手掛けてきたイアン・ブロウディ。彼のソロ・プロジェクトであり、英国史上最大のサッカー・アンセム“Three Lions”で知られるライトニング・シーズが、初の来日公演をBillboard Liveで行う。

58年生まれのブロウディは70年代終盤にパンク・バンド、ビッグ・イン・ジャパンのメンバーとして活動。このバンドはブロウディ以外にも、のちにKFLを結成したビル・ドラモンド、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのフロントマンになるホーリー・ジョンソンも在籍した。以降、まったく異なる道筋を歩んでいった3人が同じバンド……しかもプリミティヴなパンクをともに演奏していたというのが興味深い。

ビッグ・イン・ジャパンの78年のEP『From Y to Z Never Again』収録曲“Suicide A Go Go”
 

その後、元XTCのジョナサン・パーキンスらと結成したオリジナル・ミラーズ、ワイルド・スワンズ(ブロウディも一時在籍)のポール・シンプソンとのデュオ、ケアーなどいくつかのプロジェクトを経て89年にライトニング・シーズを結成。その後90年代を通して、このバンドは商業的な成功を勝ち取ることに成功するが……その前に。

80年代におけるブロウディの輝かしいプロデューサー業を無視するわけにはいかない。エコー&ザ・バニーメンの『Crocodiles』(80年)やペイル・ファウンテインズの『From Across The Kitchen Table』(85年)、スリー・オクロックの『Ever After』(86年)などを手掛けた。彼のサウンドの特徴は、爽やかなクリーントーンのギターとパワフルなビート。それらを駆使することによってバンドのポップ・センスを開花させてきたのだ。

ペイル・ファインテインズの85年作『From Across The Kitchen Table』収録曲“Jean's Not Happening”
 

そうした裏方としての成功の一方で〈バンドやりたい!〉という夢を捨てきれなかったのか、89年にライトニング・シーズを始動。デビュー・シングル“Pure”を同年に発表し、90年にはファースト・アルバム『Cloudcuckooland』をリリースした。90年前後のイギリスは、俗に言う〈セカンド・サマー・オブ・ラヴ〉真っ盛り。テクノ/ハウスのクラブ・ミュージック(と多幸感を喚起するドラッグ、エクスタシー)の流行がインディー・シーンにも影響を及ぼしていた。

ストーン・ローゼズやハッピー・マンデーズら〈マッドチェスター〉と呼ばれるダンサブルなビートとサイケデリック・ロックを重ねたバンドが隆盛を極めていたが、この時期のライトニング・シーズのサウンドは、実に甘美で浮遊感溢れるもの。『Cloudcuckooland』収録曲のなかには、近年のニューエイジ・リヴァイヴァルと並べて聴けそうなものもある。つまり、ライトニング・シーズのドリーミーなポップは、ダンスフロアの喧噪の背後にあるチルアウト的な感性を反映していたのだ。

90年作『Cloudcuckooland』収録曲“Pure”
 

92年のセカンド・アルバム『Sense』は眩いポップ・サウンドで人気を博し、94年のサード『Jollification』にいたっては本国でプラチナ・ディスクも獲得。時代がブリット・ポップへと移行していくなか、バンドは商業的にも成功を収める。そして96年、彼らを文字通りの国民的な存在へと押し上げた楽曲がリリースされた。それが同年に開催されたサッカーの欧州選手権〈UEFA EURO '96〉で、イングランド代表の公式応援歌となった“Three Lions”だ。

地元開催となったイングランド・サッカー代表は、ホームならではの後押しを受け躍進。準決勝で、結果優勝したドイツに激戦のすえPKで負けるというドラマティックな結末も含め、英国市民にとっては忘れ難い大会になった。その結果もあってか、“Three Lions”もサポーターたちに愛させるアンセムとなり、2年後の〈ワールドカップ・フランス大会〉では“3 Lions '98”として再リリース。以降も、大きな大会の度にチャートインし続け、なんと昨年の〈ワールドカップ・ロシア大会〉時には4度目となるシングル・チャート1位を記録している。

バンド自体は、2000年に活動休止するも2006年に復活。その後はマイペースに活動を続けている。ブロウディ自身は、前述したコーラルやズートンズといった地元の後輩バンドを、2000年代以降はプロデュース。まだ今回の来日メンバーは発表されていないものの、演奏メンバーにはこれら後輩バンドの面々が加わることも多いようで、いまなおリヴァプールの頼れる兄貴として愛され続けているのだろう。

いずれにせよ意外にも今回が初来日。ドリーミーでダンサブルな名曲の数々を心ゆくまで味わいたいし、やはり“Three Lions”は会場全体で大合唱したいところ。ギネス片手に〈It's Coming Home〉と騒ごうじゃないか。

 


LIVE INFORMATION

ライトニング・シーズ

2019年11月19日(火)、11月20日(水)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
サービスエリア 8,400円/カジュアルエリア 7,400円(1ドリンク付き)
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