2017年5月19日、スクロヴァチェフスキの代役でロジェストヴェンスキーが読響と繰り広げた奇跡のコンサートのCD化です。曲目はそのままで当初予定の原典版からシャルク版に変えたことが大きな話題を呼びました。全体の流れを保持しながら、テンポやダイナミクスは自在に動かし、この版特有のティンパニなどの追加を濃厚に印象付ける表現は「指揮棒のマジシャン」の面目躍如です。読響の反応も鋭敏でフィナーレのコーダにおける豪奢かつ見通しのよい鳴りっぷりは感動的です。金子建志氏によるライナーノーツは版の細部やロジェストヴェンスキー独自の工夫について詳細に考察しており重宝します。