女性シンガーのsanとトラックメイカーのNerveによるユニットが結成20周年目に放つ新作は、神秘的なヴォーカルを軸に、シューゲイザーやダブ、アンビエントを横断した耽美なサウンドが繰り広げられる。煌めくシンセが印象的なニューウェイヴ調の“Tapping On My Skin”など、全体を包む気怠く物憂げな音像はまるで白昼夢のようなトリップ感。ラストの“Carried Away The Noise”も、その幽玄さに拍車をかける大曲だ。