こんにちは、TOWER DOORSスタッフです。

昨年12月、イギリスの新人アーティストの登竜門と言われる〈BRIT Awards〉の〈Rising Star Award〉が発表されました。今回の受賞者はUKのソウル・シンガー、Celeste。ソウルフルでハスキーな美声を持つ彼女は、洋楽連載〈Pop Style Now〉の〈2020年期待の洋楽アーティスト50!〉にも選出されています。今回の記事の主役は、そんなCelesteを好きなリスナーにおすすめしたいアーティストです。

TOWER DOORSが注目する新人アーティストにメール・インタビューし、その魅力に迫る企画〈6つの質問〉。なお、いままで〈6つの質問〉を行ったアーティストの楽曲は、下の再生リストにまとめてあります。ぜひご活用ください。

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今回登場してもらうのは、“Muscari”という楽曲を提供してくれたSARMです。

ジャズやブルース、ソウルなどから影響を受けたSSWのSARM。彼女の音楽は、それらをブレンドしたスムースでヴィンテージ・テイストなサウンドと、スモーキーで魅惑的な力強い歌声が特徴です。新人でありながら、その成熟した音楽性には驚かされるばかり。

そんなSARMの才能は国内だけでなく、国外でも認められています。これまで彼女が行った台湾や香港、タイなどのアジア圏とオーストラリアでのライブは盛況を収めました。

今年の1月12日にはデビューEP『I donʼt wanna do』をリリース。彼女のさまざまな感情や思いが込もった、現状の社会問題などを題材にした曲を詰めた作品になっているとのことです。

それでは、〈6つの質問〉からSARMの実像を明らかにしていきましょう。

 

1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「出身地は大阪です。音楽活動を始めたきっかけは、結構色んな偶然が重なっているんですが、高校生の時にクラスメイトに歌をやった方が良いと勧められて。それから歌をやりたいなって思いながら道を歩いてたんですけど、たまたま道端で声をかけて来た人がいたので、いきなり〈歌やりたいねん!〉って言ってみたら、たまたまDJをやっている人で。オーガナイザーを紹介してもらってイべントで歌うようになって。イべントで歌っていたら、たまたま自分のライブを見ていた人が〈君やばいから曲作ろう!〉って言ってくれて、そこから今までずっと一緒に制作しています」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「初めてJanis Joplinの“Summertime”を聞いた時に衝撃を受けて、そこから歌に魂を込めるという部分で影響を受けました」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“Muscari”

「17歳の時に詩のべースは出来ていたのですが曲になっていなくて、19歳の頃にメロディにのせてみて完成しました。それからトラックにのせて完成したのは去年でした。かなり時間がかかった曲だからか、とても思い入れのある曲です。タイトルの〈Muscari〉は花の名前なんですが、その花言葉には両極端な2つの意味があって、1つ目は〈寛大な愛〉、2つ目は〈絶望〉。そんな2つの意味を持ったラブソングを書きました」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「音楽ではないのですが、同じ表現者として注目しているのは、フォトグラファーでデンマーク人のKuskです。彼の捉えている絵と色彩がめちゃくちゃかっこ良いです」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

「UKのドラムンベースのレジェンドでRoni Sizeというプロデューサーがいて、めちゃくちゃ好きで。“Brown Paper Bag”と言う楽曲があるのですが、それを生演奏でカバーされている日本人がいてビックリしました。松浦俊夫さんです。スピーカーで大音量で聴いてみてください」

6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「自分のミュージック・ビデオ、映像のクリエイティブを監修したいなと思っています。これは一つやってみたいことで、他には何か思いつく度に色々やっていきたいです。音楽活動に関しては、天井は決めていないです!!笑」

 

今回リリースされた『I don’t wanna do』から、タイトル・ソングのMVが公開されています。パワハラや虐待などの問題をテーマとするこの曲には、〈あなたの価値を踏みにじって抑圧してくるものから逃げることは弱さじゃない。覚悟を決めることは強い〉というメッセージが込められているそうです。ビデオはそのメッセージ性が強く伝わる素晴らしい出来。SARMの表情や仕草が真に迫っていて、心を打たれます。

 


RELEASE INFORMATION

SARM I don’t wanna do Slmones(2020)