順調に行ってそうな人間の音楽って好きじゃない、ドロップアウトしてる人間が作るものが好き
――先日のグラミー賞ではケミカル・ブラザーズがダンス・レコードとダンス・アルバムの2冠を獲得しましたよね。彼らの『No Geography』(2019年)という作品も90年代的なサウンドに回帰しつつ、それを今に鳴らしていたので、『Be Up A Hello』と通じる部分があると思いました。
「やっぱり今はサブスクの時代で、3分以内で曲を短く作って、再生回数を増やして、懐にお金を入れるような売り方が基本になってる昨今、そうじゃないのが出てくるとみんなびっくりしますよね。
本来音楽はそういうパッションを補給できるファクターなんだって、こういう人たちの音楽は気づかせてくれる。今の日本の音楽も、それもあってかちょっと奇天烈なものになり始めてるなって」

――長谷川白紙くんなんかはスクエアプッシャー的な要素を感じさせます。
「僕は彼のことはあんまり存じ上げないんですけど、さっきのパッションってことで言うと、僕は出来あがってる人間が作る音楽よりも、出来そこないの人間が作る音楽の方が好きなんです。
最近の若い子で〈◯大出身〉みたいな出自を臆面もなく出す子が多いけど、あれってすごく諸刃の剣だなと思っていて。そのキャッチフレーズの印象で聴いたような気になっちゃったりもするじゃないですか?
◯大出身的な子がみんなそうってわけじゃもちろんないですけど、僕は順調に行ってそうな人間がやってる音楽ってホント好きじゃなくて(笑)、いろんな意味で、自分はドロップアウトしてると思ってるような人間が作る音楽が好きなんです。
アニソンが好きなのもそこっていうか、〈アニソン〉というカテゴライズに入っちゃうと、他の音楽と同等に見られなくなったりする。そこで〈何クソ!〉って思ってやってる子が、キャラソンや劇伴でとんでもない奇天烈なものを作ったりして。『ポプテピピック』の吟くんなんて完全に反動だと思うけど、ああいう子たちの音楽はすごく面白い。そういう子たちに〈生きてていいんだよ〉と思わせてくれるシーンであってほしいと思うし」
――トムさんの音楽からも、同じものを感じる?
「そうですね。毎回何かにアゲインストしてるし、毎回何かと対峙してる。自分と戦ってる状態をずっと見せられてるってことですけど、そうやってもがいてる人が作る音源だったり、舞台に立ってる姿っていうのが、琴線に触れるんですよね」
*2020年3月24日追記
〈SQUAREPUSHER JAPAN TOUR〉延期のおしらせ
2020年4月に開催を予定していたスクエアプッシャーのジャパン・ツアーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、延期になりました。現在、振替公演の日程を調整中です。詳しくはBeatinkのオフィシャルサイトをご覧ください。
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10760
LIVE INFORMATION
SQUAREPUSHER JAPAN TOUR 2020
2020年4月1日(水)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO ※延期
2020年4月2日(木)大阪・梅田 CLUB QUATTRO ※延期
2020年4月3日(金)東京・新木場 STUDIO COAST ※延期
SQUAREPUSHER JAPAN TOUR 2021
2021年2月16日(火)大阪・梅田 CLUB QUATTRO ※延期
2021年2月17日(水)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO ※延期
2021年2月18日(木)東京・新木場 STUDIO COAST ※延期
*2021年1月6日追記
〈SQUAREPUSHER JAPAN TOUR 2021〉延期のおしらせ
海外での新型コロナウイルス変異種の感染拡大および日本国内での感染拡大に対する政府の対応を受け、スクエアプッシャーのジャパン・ツアーは延期になりました。主催のビートインクは現在、振替公演を開催すべく調整中とのことです。すでにチケットをお持ちの方は、お手持ちのチケットで振替公演にご来場いただけますので、大切に保管していただくようにお願いいたします。振替公演に都合がつかない方は、払い戻しができます。払い戻しの詳細についても現在調整中とのことですので、お手持ちのチケットを大切に保管していただくようお願いいたします。
お問い合わせ(ビートインク):info@beatink.com
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11658