ストロークスではどんな役割を担っているの?

 アルバートストロークスを完成させた最後のひと駒だった。フロントマンのジュリアン・カサブランカスとはスイスの全寮制高校で出会っているが、唯一ニューヨーカーではなくLAで育ち、映画製作を学ぶべく東海岸に移り住んだ際、すでに始動していたバンドに加入。彼を得たことで歯車が回り出したと言っても過言じゃない。キャラもいちばん気さくで社交的、当初はマネージャー的な役割も果たしていたそうで、舞台では白いストラトを高めに抱え、誰よりもエネルギッシュにプレイする姿が印象的だ。

【参考動画】ストロークスの2001年作『Is This It』収録曲“Last Nite”

 

【参考動画】ストロークスの2003年作『Room On Fire』収録曲“Reptilia”

 

 そんなアルバートのパートは、時折リードも弾くので線引きはクリアじゃないものの、基本的にはリズム・ギター。メタリカガンズ・アンド・ローゼズも愛するリード・ギターのニック・ヴァレンシに対し、徹底したオルタナ・ロック派で、デヴィッド・ボウイルー・リードクラッシュなどを好み、ストロークスに多大な影響を与えたガイデッド・バイ・ヴォイシズを他のメンバーに紹介したのも彼だった。よって2人が鳴らす音も異なり、アルバートのヒネリが効いた多様なテクスチャーとニックのワイルドな演奏が、どこかルーズで反発し合うような独特のハーモニーを構築。曲作りにおいては、3作目『First Impressions Of Earth』以降全員参加型に移行していたなか、精力的にソロ作品を作っていたためか最新作『Comedown Machine』まで関わり方は控えめ。チーム・プレイを好み、さまざまな形で自分を表現することを楽しむタイプなのだろう。

【参考動画】ストロークスの2006年作『First Impression Of Earth』収録曲“Juicebox”

 

【参考動画】ストロークスの2011年作『Angles』収録曲“Under Cover Of Darkness”

 

 逆に最初から強い主張を見せていたのが、ファッション面である。オシャレへのこだわりはメンバー随一。ストロークスが伊達男集団と目されているのは、アルバートがいてこそ、なのだ。

【参考動画】ストロークスの2013年作『Comedown Machine』収録曲“All The Time”