AOR~シティー・ポップ再評価の風潮に先んじたセルフ・カヴァー名品『REBIRTH 1 ~re-make best~』(2012年)の続編。吹っ切れたジャケも凄いが、その題材に日本独自の名盤たるエアプレイ『Airplay』を選んだ点も角松らしい批評的なセンスか。自曲リメイクは近年のライヴ・アレンジを下地に、ジャケでデヴィッド・フォスター役を務める小林信吾ら手練の演奏陣たちが豪勢なアンサンブルを展開する。そこにエアプレイ“Cryin' All Night”とEW&Fで知られる“Can't Hide Love”のカヴァーも並ぶが、後者がジェイ・グレイドンによるディオンヌ・ワーウィック版を匂わせるのもニクい。ロマンティックな歌声が爽快感を増して響くのは清涼な近作『東京少年少女』(2019年)の影響もありそうで、2021年に40周年を控えてなお進化は止まらず!