コラム

新世代UKジャズの活況を支えてきた〈Jazz re:freshed〉の3タイトルが日本盤で登場!

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SEED ENSEMBLE
さまざまな要素を自在に横断する鮮やかなアンサンブル

 人脈の横断と女性プレイヤーの活躍という目線からJR周辺のシーンを眺めるとすれば、マイシャやネリヤに続く注目のバンドは彼女たちに違いない。2016年に結成されたこのシード・アンサンブルは、サックス奏者のキャシー・キノシが率いる大所帯のプロジェクト。キャシーといえば先述のネリヤ、そしてアフロビート色の濃いココロコという2つのバンドで活動しているが、こちらのアンサンブルにもネリヤからシーラ・モーリス・グレイ(トランペット)、シャーリー・テテ(ギター)、リオ・カイ(ベース)の3名がメンバーに名を連ね、特にシーラはココロコでも活動を共にする盟友である。シャーリーはマイシャの一員でもあるし、サンズ・オブ・ケメットのテオン・クロス(チューバ)もいて、個々でも注目の演奏家が集まっているというわけだ。

SEED ENSEMBLE 『Driftglass』 Jazz re:freshed/MOCLOUD(2019)

 そうした編成から生まれるサウンドの独自性は、西アフリカやカリブ音楽の要素を自在にブレンドした初のアルバム『Driftglass』で見事な輝きを放つ。他にも鍵盤でジョー・アーモン・ジョーンズとサラ・タンディが客演し、“WAKE(For Grenfell)”ではシェリース・アダムス・バーネットがソウルフルに歌唱。JR黎明期の『Jazz Re:freshed Vol.1』にも登場していたジェイソン・ヤード(4ヒーロー他)がプロデュース、ベン・ラムディン(ノスタルジア77)がエンジニアという布陣で往年のニュー・ジャズの流れも汲みながら、時代もカテゴリーも横断した鮮やかなサウンド世界を現出させた逸品だろう。

左から、ネリヤの2019年作『Blume』(Domino)、テオン・クロスの2018年作『Fyah』(Gearbox)

 

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