2020.06.01

香川・高松を拠点に活動するプロデューサー/DJのKotetsu Shoichiro。さまざまなラッパーへのビートの提供、ミュージック・ビデオの制作、さらには〈小鉄昇一郎〉としてライティングも行うなど(Mikikiもいつもお世話になっています!)、幅広いシーンとメディアで活躍するDIYスター……だと私は思っているので、小鉄の仕事ぶりには勝手に勇気づけられている。

小鉄はもともとバンド、ピクニック・ディスコとして活動していて、作品も多数発表しているが、近年はソロでも活躍中。そんなわけで、今回はソロで3曲入りの『Ge’ Down EP』をリリースした。レーベルはtofubeatsが主宰する、エレクトロニック・ダンス・ミュージック専門に扱う〈HIHATT〉(いいレーベル名!)から。

独特の浮遊感を漂わせたヒップホップ・ビート集だった前作『MAVDISC』(2017年)から一転、今回はハウス・ミュージックに焦点を絞った3曲が収められている。ジャジーなエレピのサンプルがヒプノティックにループされるディープな“S”に、硬質なスネアとハイハットのコンビネーションの上を煌びやかなシンセが舞うデトロイト・ハウス系の“Hi Baby”。ざらっとした音質からは、ロウ・ハウスへの共感も感じられる。しかし、白眉はタイトル・トラックの“Ge’ Down”だろう。

まず、〈Get Down〉を〈Ge’ Down〉と省略したワードプレイが素晴らしい! シカゴ・ハウス・クラシックの数々を思わせるオーセンティックなビート、ちょっぴりデリック・メイを思わせるシンセの音色、反響して沈んでいく声ネタ〈Ge’ Down〉のループ……。どれをとってもクールだ。3曲ともアシッド色を出さずに、抑え目のディープな4つ打ちをストイックに探究したところも実にいい。

もともと小鉄はダンス・ミュージックの愛好家だということを知っていたので、彼が作ったハウス・レコードというのは、ずっと聴いてみたかった。今回、こうしてクラブで鳴らされるべき、すばらしいレコードを作ってくれたことは単純にうれしいし、tofubeatsがハウスに振り切った新作『TBEP』と共振しているようにも思える。ヴァイナル化にも期待したいところ。ローランドSP-404SXを掲げたMidoriさんによるカヴァー写真もいいね!!

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