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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「京都出身、京都在住です。高校の軽音学部に入ったのをきっかけにギターを始め、大学は美術系でしたがRage Against The Machineのコピーバンドをしたり音楽はずっと続けていました。大学卒業をきっかけに1年ほど前からMVやオリジナル曲を作るなど、音楽活動を本格的に始めました」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

Rage Against The Machineの“Sleep Now In The Fire”
Aunt Sallyの“i was chosen”
Yaejiの“Raingurl”
ヤプーズの“12階の一番奥”、 
Princeの“When Doves Cry”

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“Dissolving Clock”

「EPの『Sleep & I’ll Be Decent』の1曲目です。他の曲は夢の中についての曲ですが、導入であるこの曲は唯一眠りに落ちる前、現実と夢が混ざり始めた瞬間をイメージしています。夜中にふと目が覚めてうとうとしていた時の浮遊感、布団の中で時計の針の音がやけに大きく聞こえた時の焦燥感、そんなものを思い浮かべて音を作りました。 

また今回カセットとデジタルのリリースなので、テープで聴くと曲が繋がって聞こえるけれどストリーミングで一曲ずつバラバラに聴いた時にも違和感のないものにするという全体のアイデアが最初にありました。アンビエントっぽく始まってから歌物やヒップホップの要素が順に加わっていって、最後にはビートミュージックに繋がっていく。この曲はそういった作品の流れが頭にあったから生まれた曲だと思います」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「レーベルForgot Imprintを一緒に運営しているエレクトロミュージシャンのKagami SmileElegance of the Damned

Kagami Smileはフィールドレコーディングを出発点にしたり子供用の楽器をつかってみたり、アプローチが多彩かつ非常にパワフルです」

「Eleganceは経歴も顔も公表してないミステリアスな人です。音がすごくクールで、ゲームを使ったアルバムリリースみたいな面白いこともやっています」

「あとCuBerryは私と同じ大学出身のボーカルKanacoちゃんと映像担当Setsukaちゃんが所属する、京都で活動しているライオット・ガール・バンドです。ポップなバンドで、ライブパフォーマンスもとてもパワフルで楽しいです。新作のアイロンビーズで作られたMVがすごく可愛くて好きです」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

「ちょっと前までは〈ベース!ベース!〉って気分だったのですけれど、今はビートメインで深いサウンドスケープを持ったダンスミュージックにはまっていて、Opal TapesKillekillのようなレーベルを中心に聴き漁っています。お気に入りはPatricia、Eomac、J.Albert。

Patriciaは『Contemporary Dance』というコンピレーションに入っていた曲を聴いて一聞き惚れしました」

Eomacは実験的だけど奇をてらっていないところや音の深さがすごく好きで、EPの最後の曲“Sleep & I’ll Be Decent”も彼の影響は相当強いと思います」

J.AlbertのEP『Soot』もお気に入りで、空間系の余韻が綺麗ですごく気持ち良いです」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「最近はコラボやコンピレーションのお誘いをいただいたりレーベルの運営にも混ぜていただいたり、一人で完結しない活動が少しずつできるようになってきていて嬉しいです。

この前サウンドデザイナーのIkuko Morozumiさんと“The Dumb Doll”という曲を作ったのですがやり取りの工程含めてすごく楽しくて、今彼女とのコラボの続きを考え中です。

私は活動を始めてまだまだ日が浅くやってないことや知らないことばかりですので、これからもっといろんなことを試していきたいと思います。あとコロナウイルスで中止になったツアーのリベンジはいつか絶対したいです」