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LOVE 4EVER AND IT LIVES IN...
とんでもない作品がまたまた届いてしまいましたので今回も一筆書きの特別編!

 さまざまな時代を切り取る形でゆっくり進行しているプリンスのリイシュー。NPG時代のアルバム復刻シリーズも続きが待たれるところだが、よりコアなリスナーに待望されているのはワーナー在籍時の音源を元にした〈スーパー・デラックス・エディション(以下SDE)〉仕様の豪華リイシューだろう。そして、このたび2020年に『Sign 'O' The Times』(87年)のSDE化が実現して以来の登場となったのが、『Diamonds And Pearls: Super Deluxe Edition』である。

PRINCE & THE NEW POWER GENERATION 『Diamonds And Pearls (Super Deluxe Edition)』 Rhino/ワーナー(2023)

 91年10月にリリースされたオリジナルの『Diamonds And Pearls』は初めて〈プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション〉を名乗ったバンド名義でのアルバム。リードも取る女性シンガーや男性ラッパーを初めてメンバーとして擁するなど、それまでのプリンス作品にない要素が(特に従来からのファンには)必ずしも歓迎されなかった側面はあったかもしれない。ただ、チャート上では全米3位のヒットを記録し、全米No.1ヒットのポップな“Cream”や全米3位まで上昇した“Diamonds And Pearls”も生まれるなど、これ以降のプリンスにはない商業的な成功に恵まれた作品であったということは強調しておきたい。

 なお。今回のSDEの内容を簡単にまとめておくと……Disc-1は初リマスターによる本編、Disc-2は初リマスターによるシングル曲の別ミックス~エディット集、Disc-3~5は未発表音源(計33曲)、Disc-6~7は92年1月11日に収録されたグラム・スラム(プリンスが経営していたクラブ)でのライヴ音源、さらにBlu-rayには同ライヴの映像やスペシャル・オリンピックスでのTVパフォーマンス映像、MVコレクション(92年にソフト化されたもののリストア版)などが収められている。そして貴重な写真やメンバーへの最新インタヴューも含む解説書など、とんでもない資料も同梱されるわけで、こんな記事は無視して早速の入手をお薦めしたくなるところではある……。