プリンス
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Photo by Nancy Bundt

プリンスが主演した映画のサウンドトラック盤として84年6月にリリースされたプリンス&ザ・レヴォリューションの『Purple Rain』。彼がポップスターとしての地位を揺るぎないものとした同アルバムのツアー〈パープル・レイン・ツアー〉(84年11月〜85年4月:全98公演)は、ファンの間では伝説となっている。そのうち、85年3月30日にNY州シラキュースで行われたライブの映像は商品化され、同年にVHSとLD(レーザーディスク)が発売されたほか、2017年に『Purple Rain』がデラックス盤としてリイシューされた際には〈Expanded Edition〉にDVDが同梱された

この度、そのライブがBlu-rayおよびCD(2枚)をパッケージした『ライヴ 1985(Prince & The Revolution: Live)』として新装リリース。映像はアップコンバート、音源はペイズリー・パーク・スタジオの倉庫で新たに発見されたオリジナルマルチトラックマスターテープをリミックスしたもので、画質と音質の向上が謳われている。日本盤には、当時レコード会社でプリンスを担当していたディレクター氏のインタビューも掲載され、興味深いエピソードも語られている。

ライブは主に『Purple Rain』と82年の前作『1999』からの曲で構成。ウェンディ&リサとしても作品を出すウェンディ・メルヴォワン(ギター)とリサ・コールマン(キーボード)をはじめ、ボビー・Z(ドラム)、ブラウンマーク(ベース)、ドクター・フィンク(キーボード)からなるレヴォリューションと繰り広げたライブは、躍動感がありながらスタジオ録音のように精密で、ナルシスティックなプリンスの若きエナジーが炸裂する。

そんなライブについて、5人組のミクスチャーファンクバンドとして注目を集めるBREIMENのフロントマンでベース/ボーカルを担当する高木祥太さんにお話を伺った。いわゆるプリンス・マニアではないが、ファンクやソウルに影響を受けた音楽をやる中で触れてきたプリンスに対しては憧れも大きい。年齢も〈パープル・レイン・ツアー〉の頃のプリンスとほぼ同じ。95年生まれの27歳が語るプリンスだ。

PRINCE & THE REVOLUTION 『Prince & The Revolution: Live(ライヴ 1985)』 NPG/Legacy/ソニー(2022)

 

岡村ちゃんの元を辿るとプリンスだった

――高木さんは以前Mikikiのインタビューで、BREIMENが〈無礼メン〉表記だった頃の初期のバンドの音楽性について、「たとえるならプリンスにジャパニーズ・メロディーが合わさったような……まあ、岡村靖幸みたいな感じですね」とお話しされてましたよね?

「BREIMENというローマ字表記になってからは、ベースと作詞・作曲以外にリードボーカルも担当するようになったのですが、ボーカルが別の人だった無礼メン時代に岡村ちゃん(岡村靖幸)にメチャクチャ影響を受けていて。だからプリンスより岡村ちゃんだったんですよね、最初は。で、岡村ちゃんの元を辿るとプリンスだったっていう」

――岡村靖幸もそうですが、いわゆるプリンス・チルドレンと呼ばれるミュージシャンって結構いますよね。ディアンジェロもよく名前があがる人ですけど。

「俺はプリンスをリアルタイムで聴いてきたわけではないので、ディアンジェロのほうを先に知って、プリンスが後になります。セッションでディアンジェロの“Brown Sugar“とかをやることがあって、それでプリンスを知って、なるほど、ディアンジェロにはそういう血が流れているんだな、みたいなのは感じました。

けど、やっぱり岡村ちゃんがリスペクトしてるから好きになった感じです。あそこまでの解像度でプリンスの音楽を自分のものにして、しかも日本語で歌っている。作詞・作曲、アレンジ、プロデュースもやって、ライブでのスター性もそっくり。岡村ちゃんにはいつかお会いしたいですね」