Page 2 / 2 1ページ目から読む

そして2020年7月20日(月)と21日(火)の2日間にわたって、その記念すべきこけら落とし公演を行うのは、日本を代表する歌姫であるMISIAだ。

シングル“つつみ込むように…”(98年)でのデビュー以来、日本のR&Bシーンにおけるトップランナーとして“Everything”や“逢いたくていま”などのヒット曲を世に送り続けてきたMISIAは、それと並行して精力的にライブ活動を行ってきた。そのなかでも2001年以来続けられている〈星空のライヴ〉は、いまや彼女にとってのライフワークと言えるものになっている。

MISIAの98年のシングル“つつみ込むように…”

MISIAの2001年作『MARVELOUS』収録曲“Everything”

MISIAの2009年作『JUST BALLADE』収録曲“逢いたくていま”

そんな彼女のヴォーカリストとしての魅力は何と言っても、全身からエネルギーを汲み上げているかのようにパワフルなハイトーンから消え入りそうなスキャットまでを自在に操り、楽曲に込められた感情の機微を余すことなく伝える圧倒的な表現力だろう。だがそれだけのテクニックを有していながら、彼女は決してみずからの表現に酔うことなく、いま目の前で起きていることに耳を澄ますのを忘れない。

そうした彼女のスタンスが見事なパフォーマンスに結実した例として、NYを拠点に活躍するトランペット奏者・黒田卓也との共演があげられる。

「MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017」トレイラー

一流のミュージシャンたちと共にソウルフルでジャジーなテイストのパフォーマンスを繰り広げる予定だという今回の公演でも、そんな彼女の美点は存分に発揮されることだろう。

しかし本公演を特別たらしめるのは、それだけではない。そこには、自身にとって大切な場所であるライブハウスを舞台に〈音楽の灯〉をともしていきたいという、彼女の切実な想いが込められている。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、彼女もまた他の多くのミュージシャン同様に、公演予定だった〈星空のライヴ〉の中止を余儀なくされた。もちろん彼女自身も大変悔しい思いをしただろうが、それと同じくらい、いやおそらくそれ以上に、自身のふるさととも言うべきライブハウスが追い込まれていく状況に胸を痛めていたことだろう。

したがって今回の公演は、Billboard Live YOKOHAMAのこけら落としであると同時に、アーティスト・MISIAの復活ライブでもあり、またライブハウス再生への第一歩でもあるという、重層的な意味を持っている。これだけの意味が重なり合ったひとときを体験できる機会は、またとないだろう。

さて、MISIAによるこけら落とし公演以降も、Billboard Live YOKOHAMAでは注目のライブが目白押しだ。直近では、7月26日(日)に石丸幹二と吉田次郎による公演8月2日(日)にCASIOPEA 3rdによる公演8月9日(日)に馬場俊英による公演が控えている。Billboard Live YOKOHAMAのオフィシャルサイトにて逐次ライブ情報が更新されるので、そちらもぜひご確認いただきたい。

 


LIVE INFORMATION
MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2020

2020年7月20日(月)、21日(火)Billboard Live YOKOHAMA
1stステージ 開場 17:00/開演 18:00
2ndステージ 開場 20:00/開演 21:00
サービスエリア 12,000円/カジュアルエリア 12,000円(1ドリンク付き)
★詳細はこちら

2020年8月14日(金)、15日(土)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:00/開演 18:00
2ndステージ 開場 20:00/開演 21:00
サービスエリア 12,000円/カジュアルエリア 12,000円(1ドリンク付き)
★詳細はこちら