LAの3人組バンド、ハイムがリリースしたサード・アルバムはとても素晴らしい。さまざまなジャンルを接合しながら、みずからの音楽性をどこまで拡張できるか?に挑む姿勢が際立つからだ。3拍目のスネアを強調したビートがもろにUKガラージな“I Know Alone”、ウォーレンGあたりのGファンクを連想させるメロウな良曲“3AM”、2拍目と4拍目にアクセントを置いたリズムがレゲエ的な“Another Try”など、サウンドは多彩の極みにある。それでいて、親しみやすいメロディーや思慮深さの感じられる歌詞といった持ち前の魅力も深化している。これだけ多くのおもしろさで溢れ、聴けば聴くほど耳が喜びの声をあげる本作は、ハイムの最高傑作だ。