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【天野龍太郎】

Hi Cheers! “恋はケ・セラ・セラ”

注目のニューカマー、Hi Cheers!のセカンド・シングル(ファースト・シングルは7月に紹介しました)。アカペラのイントロからぐっと引き込まれ、次の瞬間にはハッピーでグルーヴィーなポップ・ソングが展開していく。あれもこれもとさまざまな音楽の要素が詰め込まれた豊かなアレンジに驚く。あと、ブリッジ部分のメロディーが秀逸。この4人、ただものじゃないです。

 

Daichi Yamamoto “Blueberry”

いまもっとも注目すべきラッパーの一人、Daichi YamamotoのニューEP『Elephant In My Room』から。迷いや逡巡をラップしながらも、ライミング、フロウ、デリヴァリー、すべてがかっこよすぎる。

 

Yaffle feat. Elia “À l’envers (TRACE7000 Remix)”

ついにファースト・アルバム『Lost, Never Gone』を9月18日(金)にリリースするYaffle。原曲がとても素晴らしかったのですが(ここで紹介しそこねました)、スロウダウンされたゴーストリーなこのリミックスも激クール。才能の塊です。

 

BAD HOP feat. T-Pablow, Tiji Jojo & Benjazzy “Bayside Dream”

新作『BAD HOP WORLD』から。ちょっと前に発表されたビデオですが、紹介し忘れていました。〈リアル〉っていうのは、彼らのためにある言葉。T-Pablowがかっこよすぎて震える。

 

マーライオン “おばけトンネル”

マーライオンの新曲。なんだか、すごくストレートなフォーク・シンガー然としてきましたね。新鮮でいい曲! 〈愛に化けて君に会いにいく〉という歌詞がユニークで素晴らしい。

 

wai wai music resort “ロング・ヴァケーション(SNJOカバー)”

SNJOくんの名曲“ロング・ヴァケーション”をwai wai music resortがカヴァー。原曲のボサノヴァ要素を増幅して引き出した、最高の翻案! 短いけれど、感動しました。

 

【鈴木英之介】

蓮沼執太フルフィル “windandwindows”

管弦楽器や木琴、スティール・パンなどをふんだんに配した、柔らかく奥行きのあるアレンジが、J-POP的な親しみやすいメロディーの中に絶妙に溶け込んでいる。これは和製チェンバー・ポップの新たな傑作と言っていいだろう。そしてそのサウンドが放射する多幸感に〈何気ないこの瞬間のかけがえなさ〉を切り取った歌詞が寄り添い、確かな輪郭を与えている。

 

冨沢仲 “防人”“夜の空気”

連日の酷暑に吹き入る涼風のような、極上のギター・アンビエント。ビートレスな編成や、ノイズをもロマンティックな音世界の一部として聴かせるアレンジからは、フリップ&イーノ『Evening Star』やフェネス『Endless Summer』などが想起されるが、日本人アーティストの手になるものだからか、その旋律やハーモニーからは彼らの作品にはない和の匂いがほんのりと感じられる。

 

ねもぺろ from でんぱ組.inc “ベイビー♡ベイビー”

渋谷系やモータウン・サウンドを消化しきったポップ・ナンバー“しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…!”のクォリティーの高さには驚かされたものだが、この最新曲もまた良い。相対性理論を思わせるようなクリーンなギター・リフがメロウなジャジー・ヒップホップのようなトラックと溶け合い、そこに甘くもほろ苦い歌唱が乗る。少し感傷的になった夏の夜にぴったりなナンバーだ。そして、このMVのエモいこと! 鹿目凛(ぺろりん)が聴いているのがカセットというところも、また良い。

 

【小峯崇嗣】

一寸先闇バンド “フレンドゾーン”

おーたけ@じぇーむずを中心に2019年結成されたバンド、一寸先闇バンド。彼らのデビューEPから”フレンドゾーン”をご紹介。スロウなドラムに絡み合うポスト・ロック的な流麗なギターのタッピングが特徴的なイントロから、ポップなメロディーで映画のワンシーンのように展開していく一曲。一点の曇りもない清白な歌声によって語られる日常のひとコマの歌詞がジーンときます。中村佳穂などが好きなリスナーにとても刺さる音楽性かと思います。

一寸先闇バンドには、TOWER DOORSからメール・インタビュー〈6つの質問〉を投げかけています。結成秘話や影響受けた音楽など、気になる方は併せてチェックしてみてください。

 

madrone avenue “One Story”

5人組ギターレス・バンド、madrone avenueがニュー・シングル”One Story”をリリース。ミニマルなビートと流麗なピアノ・サウンドから徐々に叙情的に展開していく爽やかなインディー・ポップ・ソング。ヴォーカルによって紡がれる新たな物語の始まりを表したようなみずみずしい歌詞がまた素晴らしいです。

 

a子 “drug”

以前もご紹介したSSWのa子が新曲”drug”をリリース。新曲をリリースするごとに新たな才能を垣間見せていく彼女のソングライティング・センスは驚愕です。今回はサックスを取り入れた渋い一曲に仕上がっています。

そして9月23日(水)にファーストEP『潜在的MISTY』が発売することも発表されました。タワーレコード オンラインから予約を受け付けていますので、どうぞお見逃しなく。

 

Capote “echo”

2019年結成、KoとAyakoによるデュオ、Capoteのニュー・シングル”echo”をご紹介。モジュラー・シンセの柔らかく深いサウンドがゆったりとイントロから鳴り響くきますが、アンビエント調で実験的なサウンドも加えながらもミニマルでポップな楽曲にまとめた美しい一曲です。またビートが入るタイミングが絶妙で中毒性のある楽曲でもあります。彼らによる楽曲の解説をYouTubeの詳細部分に載せていますのでそちらも覗いてみてください。