セルメンからまでpetit miladyまで、星野みちる『E・I・E・N Voyage』に繋がる作品たち!
はせはじむのプロジェクトとしては、近年だとこちらにも注目したいところ。the fascinationsやクレイジーケンバンドのメンバーらと作り出したエキゾなムーディー・リゾート・ポップは、Voyageの目的地のひとつかも!?
永遠とE・I・E・N……なんて偶然はともかくとして、往年のアイドル歌謡への敬意や温故知新的なセンスを下敷きにして極上かつ端正なポップ・ワールドを構築しているという側面は、間違いなく両者の重なる部分でしょう。ソロで輝く星としても互いに期待。
MAHOΩやthe chef cooks meで活動した猪爪東風のニュー・プロジェクトによる初作で、マスタリングを務めたのは佐藤清喜。ロジャー・ニコルズ好きな趣味の良さも伝わる上質メロウなタウン・ポップは、マイクロスターや星野の世界にも通じるものでしょう。
野宮真貴が在籍したことで後世にも知られるニューウェイヴ・バンド。そのギタリストである鈴木智文は、今回『E・I・E・N Voyage』の乗組員として“サテライト”で演奏に参加しています。こだわった意匠を自然体で包み込む振る舞いの軽やかさも相通じる点かと。
声優の悠木碧と竹達彩奈が組んだデュオのファースト・アルバム。良曲揃いな中身を覗いてみると、先行シングルに続いて大半の編曲を手掛けたのは佐藤清喜でした。ドラマティックなロック仕立てとエレポップ風味を巧く使い分けたキャッチーな仕上がりです!
航海の道中には筒美京平やKAN、オザケン、岡村孝子など古今の翻訳歌謡フレイヴァーがディスコやモータウンの姿を借りて次々に浮かんできます。その大きなハイライトとなるのは麗しく流れ落ちる大滝のウォール・オブ・サウンドでありましょう。
星野の佇まいにかつての南波志帆と共通するサムシングを感じるとしたら、それは気品のようなもの。ソロよりシアトリカルな歌声を躍らせる本作においても、“ジェリー・ジェリー”あたりには星に満ちた別の銀河の光景も浮かびます。
逆方向からのエキゾチカを感じさせる和風ジャケの本作には、楽園に季節風を吹かせる古典“Tristeza”を収録。かつてコーネリアスも引用していたことを考え合わせれば、ズバリWACK WACKの演奏がよく似合う、とか思ってみたり。