70年代、80年代、90年代、2000年代――デビューから35年、彼らを〈重鎮〉〈レジェンド〉などと呼ぶのはもってのほかだ。息つく間もなくロックの熱い鼓動を響かせてきたシナロケは、いつだって最前線にいるのさ!

 「ロックは生きとる、ということをときどき言うんです。ロックには心臓が入っとるんです。ブギやファンクのリズムであっても、ドクドクドクというビートが打っとる。俺たちは床の間に置いて鑑賞するような置物を作りよるわけやない。35年前に作った曲はちゃんと歳とっとって、ドクドク心臓を動かしながら今日まで生きとるわけです。僕らは人に言われて嫌々作った曲なんてひとつもないけん。どれも魂込めてやっとるし、長く生き抜いてほしい、と思っとるから」。

 吠えるようにそう話す鮎川誠(ギター/ヴォーカル)は、シーナ&ロケッツが誕生した35年前から変わらず、いやそれよりずっと前から〈ロック語〉という宇宙語に近い言語を駆使しつつ、〈Keep A-Rockin’〉の精神を表現し続けている。そんな彼が率いるシーナ&ロケッツの18作目『ROKKET RIDE』もまた、やたらと吠えている。6年ぶりとなるこのオリジナル・アルバムは、バリバリと空気を引き裂くようなワイルドなロック特集となった。

「そう仕上がったせい? 僕らが〈せーの〉で録った演奏だからじゃないか。プレイバックしながら、俺らみんな大した奴らだと思ったね。2月にローリング・ストーンズのライヴを観て、もうボヤボヤしておられん、となって。それがお尻への点火第1弾やったね。そして3月には、昔から何も変わらんとやってることのすごさをウィルコ・ジョンソンのライヴから教わって。その直後の4月7、8日とレコーディング・スケジュールが組まれとってね。ウィルコがロジャー・ダルトリーと作った素晴らしいアルバム『Going Back Home』をスタジオに入ってまず大音量でかけたんやけど、迷いや揺るぎがまったくなく、ストレートで力強い音が俺たちを襲ってきた。よし、この線で行こうぜ、と決まった。曲はやり終えたときが出来上がったときだと」。

シーナ&ロケッツ 『ROKKET RIDE』 スピードスター(2014)