アナログ化を機に振り返る、細野晴臣の歴史的な名盤たち

 日本の音楽シーンに多大なる影響を与え続け、昨年、ついに音楽活動の開始から半世紀を迎えた細野晴臣。初のソロ作『HOSONO HOUSE』の新構築盤『HOCHONO HOUSE』の発表を皮切りに、昨年のアニヴァーサリー・イヤーはUS公演や展覧会「細野観光 1969-2019」の開催、自身のドキュメンタリー映画「NO SMOKING」の公開といった数々の記念企画も記憶に新しい彼に、また新たなトピックが。今年で6回目となる日本最大級のアナログ・イヴェント〈レコードの日〉を機に、ソロ作品のなかから6タイトルがカセット/ヴァイナルの2ヴァージョンで再登場した。

 まず、昨年ヴァンパイア・ウィークエンドがサンプリングしたことで話題となった“TALKING あなたについてのおしゃべりあれこれ”が収録されているものの、長らく入手が困難な状況だったカセットブック『花に水』(84年)は、オリジナル・パッケージを受け継いだカセットの形態で今回初のリイシュー。自身によるテキストも当時のままに収められる。

 また、いわゆるワールド・ミュージック~アンビエントの黎明期を照らした名盤『omni Sight Seeing』(89年)、『MEDICINE COMPILATION』(93年)は、このたび、日本国内において初のヴァイナル化。いずれにも砂原良徳による最新のリマスタリングと、USハリウッドのバーニー・グランドマンのカッティングが施されている。

 さらには近作である『HoSoNoVa』(2011年)、『Heavenly Music』(2013年)、『Vu Jà Dé』(2017年)もヴァイナル版が届けられるが、なかでも『Vu Jà Dé』は今回が初のアナログ化。当人のお好みであるという10インチ・ヴァイナルとなり、海外でもリリースされるために日本語/英語でのセルフ・ライナーノーツが同梱。カッティングは名匠・小鐵徹によるものとなっている。

 サウンド面はもちろん、パッケージ・アイテムとしても貴重なものになるであろうこれらの名作たちを、ここで改めて振り返ってみよう。