さまざまな試練と挑戦を経て岐路に立った5人の、これが集大成にして最終進化! 『6thアルバム(仮)』で示されたこれまでの足取り、そして新体制への展望とは?

 今年の5月をもって活動10年目へと突入。COVID-19の影響で、グループの主戦場であるライヴの減少や諸々の制約が課せられたものの、百戦錬磨のキャリアに裏付けられた、ひいては5人体制となってから約2年の間に熟成させていった逞しくも艶のあるパフォーマンスで、くっきりと足跡を残してきたアップアップガールズ(仮)。そんななか、9月1日にYouTubeで配信された緊急記者会見では〈新体制への移行〉を発表。さらに、同月26日に東京・日比谷野外大音楽堂で開催されたワンマン・ライヴでは新メンバー募集が告知され、10月26日には、関根梓を除く4名――古川小夏、森咲樹、佐保明梨、新井愛瞳の卒業が発表された。

 

5人で最後の野音

――ライヴで魅せてきたアプガにとって、ここ半年ぐらいは非常にモヤモヤする時期だったかと思いますが、野音ではそれを思いっきり発散した感じでしたよね。あの時点ではすでに4人の卒業も決まっていた……んですよね?

森咲樹「そうですね。卒業の発表はせずに行ったんですけど、新体制に移行するということで、5人で最後の野音ということはファンの方も理解してましたし、私たちも〈やったるで!〉みたいないつも以上の気合いは入ってましたね。5年前に野音のステージに立ったときは、やっぱりガムシャラ感がすごかったんですけど、5人になって3年経って、5人のパフォーマンスの雰囲気はもちろん、ライヴの雰囲気もしっかり掴めてきてたので、私自身は5年前よりちょっとだけ冷静に楽しめました」

新井愛瞳「卒業を決めてたっていうこともあったんですけど、とにかく野音のステージって、立ちたいって言ってもそう簡単に立てる場所ではないじゃないですか。なので、野音が決まったって聞いたときは、こんなご褒美いいんですか!っていう気持ちでした。それに、この状況だからこそ、ファンのみんなに対して〈やっと会えるね〉っていう気持ちがより込み上げてきたし、私たちとファンのみんな、お互いにとってのご褒美だから、素直に楽しもうって」

佐保明梨「ここ最近は配信ライヴだったりとか、お客さんがいても人数を絞った感じだったので、大勢の人に見られるっていう感覚を忘れてしまっていて、ステージに上がった瞬間に〈人がめっちゃいる!〉って、いままでのライヴとは違うドキドキ感がありました。正直、5人で最後の野音っていうことまで頭が回らないくらい、ライヴができた喜びで溢れてましたし、〈私たち生きてる!〉っていう感覚も久しぶりに味わいました」

古川小夏

――卒業しない関根さんは、やはり感想が違ったりするんでしょうか。

関根梓「そうですね、のちのち自分がアプガを引っ張っていく立場としてステージに立ってみて、そこにある光景がすごく儚いものに見えたし、またこの景色に戻ってくるにはどのぐらい時間がかかるんだろうなとか、パフォーマンスしながら考えてはいましたね。考えて考えて、それが曲とリンクして泣いちゃうってところも多かったんですけど、私だけ残るということはまだ発表してなかったので、泣いてた理由がそういうことだったっていうのはそのとき言えなかったんですけど、あのとき泣いていたのは、これから先の未来に思うことだったりとか、いまここにある空間への愛おしさだったりとかっていうものを感じてたら、感無量になってしまったという」