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【鈴木英之介】

TOWA TEI WITH HARUOMI HOSONO & HANA “BIRTHDAY”

先日2月10日に7インチ・シングルとしてリリースされた一曲。ショーロなどのブラジル音楽のフレイヴァ―が香ってくる多幸的な電子ポップで、まったくもってTOWA TEI的としか言いようがないキュートさと洒脱さに満ちている。ゲスト・ヴォーカルとして、ROTH BART BARONらとの共演でもおなじみのHANAと細野晴臣が参加している。細野は以前“LUV PANDEMIC”(2015年)にも参加していたが、あの曲においてはヴォイス・エフェクト的な形での客演だったのに対し、今回は小粋で落ち着いた低音ヴォーカルを聴かせてくれており、細野ファンとしては堪らない。なお、“BIRTHDAY”は2021年3月3日(水)リリースのTOWA TEIのニュー・アルバム『LP(エルピー)』にも収録予定なので、こちらも要チェックだ。アルバムのご予約はこちらから

 

Nyarons & 中村さんそ “自己愛主義天使”

ネット系ポップ・ユニットのNyaronsが、〈カワイイ × ポップな曲を作るシンガー・ソングライター兼ニート〉を自称する中村さんそと組んだ一曲。トラックはローファイ・ヒップホップを下に敷きつつシティ・ポップ要素を加えたようなウェルメイドなものであるが、アニメ的なウィスパー・ヴォイスがそこに乗ることで、総体として面白い仕上がりになっている。相対性理論(やくしまるえつこ)や泉まくらといったアーティストに通ずる、ゆるくキュートな雰囲気の中に毒気を感じさせるバランスで、中毒になること請け合い。

 

いちやなぎ “日々の栞”

京都のシンガー・ソングライター、いちやなぎが2021年3月19日(水)にリリースする初のEP『album』からの一曲。思わず口ずさみたくなるキャッチーで優しいメロディーと、アコースティック楽器を基調としたオーガニックで風通しの良いバンド・サウンドがよくマッチしている。また随所で用いられているペダル・スティール・ギターやマリンバなどの楽器が、楽曲全体に響きの面白さや奥行きを加えている点もいい。細野晴臣の『HOSONO HOUSE』や星野源の初期作品などを愛好する方には、特に強くおすすめしたい。

 

【小峯崇嗣】

NEMNE “Mind”

シンガー・ソングライターUKOによる新ソロ・プロジェクト、NEMNEのデビュー・シングルをご紹介。Shin Sakiuraがアレンジしたサウンドは、ソウルやファンク、ディスコなどの要素を織り交ぜたアッパーかつクールなもの。さらに、彼女のソウルフルで力強い歌声が前面に出た楽曲に仕上がっています。彼女にはTOWER DOORSからメール・インタビュー〈6つの質問〉を行っています。ぜひこちらもお見逃しなく! 

 

ヨットクラブ “MowTown”

東京を拠点に活動するインディー・ポップ・デュオ、ヨットクラブが2020年にリリースしたアルバム『buoyancy』からの一曲。黄昏時に海辺でゆっくりと腰掛けて聴きたいインディー・ソングです。可憐な歌声と優しいアコースティック・ギターの素朴な調べの響きがとても美しい。

 

oookay!!! “夜の街 Remix (feat. KBM)”

実の三兄弟によるバンド、oookay!!!の楽曲“夜の街”のリミックス版に、フィーチャリング・ゲストとしてラッパーのKBMを迎えた一曲。ダブやレゲエを織り交ぜたメロウネスと、サイケデリックなシンセサイザーや力強いドラムが混ざり合ったファンキーなサウンドです。渋く心地よい歌声によるアンセム的なヴァースとKBMによるナードなラップの緩急がクセになる楽曲。

 

sunsite “夏の終わり”

解散したロック・バンドThe Cigavettesのフロントマンの山本幹宗と、現在若手俳優界においても存在感を発揮する永嶋柊吾によって結成されたバンド、sunsite。そんな彼らのデビュー・シングル “夏の終わり”をご紹介。爽やかなギター・サウンドと人肌の温もりを感じる優美な歌声が絡み合ったハート・ウォーミングな一曲です。伸びやかだけど繊細なメロディーラインにグッときます。アートワークはメンバーと親交の深い俳優・仲野太賀が手掛けているのも驚き。

 

YUNOWA “張り子”

京都拠点に活動するスリーピースバンド、YUNOWAが2月12日にニュー・シングル “張り子”をリリースしました。今作は、彼ら独特のグルーヴと緊張感、透明感のある歌声が溶け合ったメロウな楽曲に仕上がっています。中盤の靄のかかった打ち込みのドラムを取り入れたダークな展開もあり、新たな試みも感じられる一曲です。

 

【田中亮太】

森鉄雄 “連れていってよ”

歌い出しから度肝を抜かれました。これ、なんなんですかね。とにかく歌声のアクが強すぎ。クセありすぎでクセになります。アウトサイダー・アート的な味わいもあるような……。いずれにせよトラップ以降のアンダーグラウンド・ミュージックにおける注目の才能ではないでしょうか。BO NINGENのTaigen Kawabeさん、Le Makeupさんも絶賛、らしいです。

 

Arcadian starship “Miami Moon”

北海道・札幌パンク・シーンの至宝、The Sleeping Aides & Razorbladesのフロントマンであるシラハマさん(NOT WONK加藤くんのメンター)のソロ・ユニット。昨年カセットでリリースしていたファースト・アルバム『Dedicated To Winslow Leach』がこの度LP+CDになりました。持ち前のキャンディーみたいに甘いメロディー・ラインに、箱庭的なポップ・センスが加わり、カルトながらキャッチー/ブライトフルながらクローズという唯一無二のギター・ロックを鳴らしています。上に貼った“Miami Moon”は、スタックス・ビートが痛快。Bandcampでのデータ購入価格は99,999円ですので、タワレコ含むレコード・ショップでパッケージを買うのがオススメです。

 

CANDYGIRL “Hmmm”

CANDYGIRLは、ヴォーカリストのferryとトラックメイカーのDetchの2人組。彼らが新曲“Hmmm”を発表しました。流麗なアルペジオとゆったりとしたビートが重なるR&B。アウトロで三連に変わるところが気持ちよくて、何度も聴いてしまいます。