(左から)川井宏航(ベース/New Biboujin)、岩井正義(ヴォーカル、ギター/So Sorry,Hobo)、出口賢門(ドラムス/ふるかわのこゲットサンダー)
 

主に新宿の路上を主戦場としてライブ活動を続け、12か月連続でCD-Rをリリース、計1200枚を路上で完売させてきた3ピース・ロック・バンド、BurnQue。2020年4月に誰よりも早く〈コロナ後の世界〉をテーマにした配信EP『春』をリリースしたことも記憶に新しい彼らが、初の全国流通作品にしてファースト・アルバム『激情』を2月24日にリリースした。

しかし、初アルバムのリリースを迎えても、彼らの表情はどこか浮かない。コロナによって路上ライブの観客が減ったことや、これまで自身を〈火山〉と呼んできたのを昨年辞めたことも関係があるようだが……。悩める3人の明日はどっちだ?

BurnQue 『激情』 HappySad(2021)

 

自称、2020年世界で一番配信ワンマンをしたバンド

――お久しぶりです。2020年4月に〈コロナ後の世界〉をテーマにしたEP『春』をリリースして、あの時以来のインタビューになりますが、現実はまだコロナ禍中で、〈コロナ後の世界〉は来ていません。Twitterでの路上ライブのアナウンスもしなくなってしまって、あれから3人は何をしていたんですか?

宮川正義「実は路上も夏頃から再開してたんです。ただ告知するのをやめて」

川井宏航「いろいろ面倒臭いことがありまして(笑)。路上で演奏してる人が減って、母数が少なくなると目立つんですよね。ネットでも槍玉に上げられるし、現場でもすぐ捕まっちゃう」

宮川「あと、〈やるよ〉って言って来る人はお金を落とさないんですよ。そういう人ってただはしゃぎたいだけで、もちろんそれもいいんだけど、こっちもボランティアでやってるわけじゃないし。〈やる〉って告知をすることにメリットがあんまりなかったんですよね」

川井「でも今もやってはいます。結構遅い時間ですけどね」

――そんな時間に人いるんですか?

宮川「いないです。でもやってる(笑)。だから収益的にはガクッと下がったし、路上ライブに対するモチヴェーションも下がってます」

――出口さんはどうですか?

出口賢門「でも演奏に対するモチヴェーションは変わってないし、あんまり深く考えないようにしてます。路上に着いたらやるだけで」

――じゃあ路上もやりつつ、ライブハウスでの活動にシフトしていた?

宮川「そうですね。去年はおそらく、世界で一番配信ワンマンをしたバンドだよね(笑)」

川井「十何本やりました」

宮川「(下北沢)BASEMENTBAR、(下北沢)近松、(新宿)NINE SPICES……かなり早い時期からいろんなハコでやってました」

――BurnQueのライブは観客がワーキャー言ってなんぼだと思うのですが、観客がいない配信ライブはやりにくくないですか?

宮川「モニターにチャットを投影してもらってお客さんの反応を見えるようにしたりと工夫はしましたけど、そういうのって結局、ハコが自分たちにどれだけ愛を持ってくれてるかによるなって思いましたね。BASEMENT(BAR)や(下北沢)GARAGEって俺らに本当に出てもらいたくて呼んでくれるから、無観客だけどスタッフがテンション高くて楽しいんですよ。でも場所によっては数合わせで呼ばれて、ソト音も出さない(フロアに演奏の音を流さない)みたいなところもあって、そこにいる人もそんなに楽しくなさそうで。対バン相手の演奏も聴きたいのに聴けないし。BASEMENTでやってくれた〈パノラマ火山〉と〈合成火山〉が面白すぎたからそう思っちゃうのかもしれないね」

下北沢BASEMENTBARで開催された360度VR配信ライブ〈パノラマ火山〉の映像
 

川井「スタッフが一番ゲラゲラ笑ってくれて、その声まで配信で入ってて」

――あの映像、すごかったです(笑)。去年はEggsからデモ曲の配信も行ってました。あれはいつからですか?

宮川「9月ですね」

川井「実は去年のうちにアルバムを出すつもりで動いてて、曲は相当あるのにライブもなかなかできないし、発表しないままでいるのもおかしいなと思って。毎週デモをリリースするバンドなんて見たことないから面白いし、Eggsでやってみることにしたんです」

――2019年は毎月路上で〈火山盤〉を売ってたから、2020年はリリースがなくて寂しくて。

川井「リリースはめちゃくちゃしたかったんですけどね。GARAGEでレコーディングをして、その模様を配信して、投げ銭してくれた方に音源を送るっていうこともやりました」

宮川「でもそれも大々的には告知しないでね」

レコーディングの模様を配信した〈実況!火山盤生録音火山〉の映像
 

――じゃあ去年は、バンドの活動をあまり外に向かって広める感じではなかった?

宮川「外向きにやってるつもりだったんだけど、向いてなかったんだなということが今分かった(笑)」

BurnQue、火山をやめる

――そして、今回ついにファースト・アルバムが全国流通でリリースされました。この経緯は?

宮川「『春』を作った時に、この流れでアルバムを出したかったから知ってる人に音源を送りまくって、ディスクユニオンでSo Sorry,Hoboを担当してる人にも送ってたんです。そしたら〈めっちゃいいね!〉っていう感想が来て、〈ウチから出したらいいじゃん〉って言ってくれたんですね」

『激情』にも収録されている『春』のリード・トラック“春”のMV
 

宮川「で、〈アルバム出したいんですよ! お願いします!〉って言ったら〈え、マジで出したいの?〉みたいな返事が来て(笑)。でも、そこから緊急事態宣言が出ちゃって、予定されてたいろんなリリースも飛んじゃって、しばらく連絡がなかったので、もう話はなかったことになったんだなと思ってたんです。そしたら思い出したように連絡が来て、〈CD、12月リリースでどうですか?〉って言われて」

――でもその時、まだ音はないわけですよね。

宮川「そうです。〈既存の音源(火山盤)をマスタリングし直して出せばいいじゃん〉って言われたんですけど、でも当時ちょうど俺ら、〈火山〉をやめたんですよ(笑)。〈火山をやめたのに、なんで火山盤の音をまた出さなきゃいけないんだよ〉と思って」

――話が飛ぶな(笑)。そもそもBurnQueは、自分たちのことを〈バンドじゃないです、火山です〉って言ってましたよね。ライブは〈噴火〉で。個人的にはあれ、好きだったんですけど、それをやめたんですか。

宮川「〈火山〉をやめたんです」

――で、何になった?

宮川「ロック・バンド(笑)」

川井「コロナの期間中に落ち着いて考えることができたんですよね。(宮川が)急に〈火山って何だよ?〉みたいに言い始めて」

宮川「〈火山は演奏しないだろ。俺、ヒトだし〉ってね(笑)。それは作る曲が変わってきたっていうのもあると思います。今までとは方向をちょっとだけ変えたんです。〈とりあえず驚かしてやる!〉みたいなのをナシにして、劇画ちっくな曲作りをやめて」

――それはなんとなく分かります。

宮川「そういう曲が集まってきて、やってるライブを観返してみたら〈これ火山じゃないなあ〉って」

一同「(笑)」

――今まではギターがコードをガシガシ弾いて、ベースはルート弾き、ドラムスも8とか16の基本的なビートを叩いてて、いわゆる〈これぞロック〉な音が多かったと思うんです。でも今回の収録曲はちょっと変則的な動きをしたり、凝った演奏をしたりしてる気がします。

宮川「本当それ。今までは凝ってなかった(笑)。元気がなくなったっていうのはあると思うし、自分が高校生の時にやりたかったような音楽をちゃんと完成させる、みたいな気持ちを取り戻したんだと思う。昔はそういうのをやりたかったけど、メンバーの技術も伴ってなくて、〈この曲、本当はアークティック・モンキーズなんだけどな〉〈これ本当はブランキー(BLANKEY JET CITY)なんだけどな〉ってやりたくてもできなかったのを取り戻そうとして」

――それは〈火山〉っていうアイデンティティーを捨ててでもやりたかった?

宮川「そのほうがむしろ高校生に届くものになると思って。この数年、あえて避けてきた、自分がやりたかったものに向き合うことにしたんです」

――それは成長なんですか? それとも幼児退行なんですか?

宮川「成長した結果の幼児退行だと思う。バンドが出てきて〈火山でーす!〉って言ったら〈なんだこいつら!?〉って思うじゃないですか。そういうエンターテイメント性を捨てようと思ったんです。だってガキが本当に喜ぶのはそういうことじゃないと思って」

――どっちがガキなんだか分かんなくなってきた(笑)。

宮川「〈笑ってもいいんですよ!〉っていう予防線を張るのをやめたんです。コミック・バンドの人が正気に返ったみたいなことで。ふざけてる場合じゃなくなっちゃったし……って前もふざけてたわけじゃないんですけど、純粋にカッコいいものを見せたいなって」

――なるほど。それはなぜですか?

宮川「第5次ブランキー・ブームが来たっていうのもあるし(笑)、路上をやってるうちにちゃんとカッコいいバンドになってきたなって思えてきたっていうのもある。火山が好きだった人には申し訳ないけど、ウチの奥さんは喜んでました。〈やっとネタに旬があることに気付いたか、3回で飽きたわ〉って(笑)」

――2人はどうでしたか? 火山をやめて、作る曲も変わってきて。

川井「みんな曲を作ってて手応えがあった頃に〈火山やめる〉って言い出したんですよ(笑)。〈休符を弾く〉っていうことがちゃんと分かってきた頃で。だから〈そうだよね〉って思いました。BurnQueって〈熱い〉って言われる曲が多いんですけど、それに違和感があったので、火山って言わなくなったことに納得しました」

出口「そうですね。だいたい同じで、曲作りをする時に聴く音楽が変わったっていうのもあるのかなって思います。ナショナルってバンドを教えてもらって、フレーズで叩くっていうのを意識するようになりました」

川井「ナショナルは今まで新しいのばかり聴いてたんですけど、昔の曲も面白いんだっていうのを教えてもらって」

宮川「昔っていうか『Boxer』のライブ盤(2018年作『Boxer (Live In Brussels)』)ね!」

川井「そうだ! あれをきっかけに、ナショナルって昔の作品は結構生々しかったよねって話になって。あの感覚を自分たちの曲作りの中に入れてみようと」

宮川「好きだったパンク・ニューウェイヴをもう一度掘り直してみたら、炎の色で例えるなら赤じゃなくて青みたいな、ああいうカッコよさを取り入れたくなった。俺も〈熱いっすね~〉とか言われると腹が立って」

――あれだけ火山火山言ってたのに(笑)。とにかく火山をやめて、熱いんじゃなく冷たい炎みたいなものを灯して、だから今まで〈火山盤〉で出した曲を録り直すのも違うってなったわけですね。でも出来たアルバムのタイトルが『激情』って、やっぱり熱いものじゃないですか。

宮川「どうせクールな曲を作っても普通の人からは〈熱い〉って言われるんだから、わざわざ〈俺は熱いですよ!!〉って言わなくてもいいやっていうことですね。でも『激情』っていうタイトルを付けて、上がってきたジャケットが炎とかじゃなかったのが良かったな。『激情』っていうのはつまりパッションのことで、どんな人の日常にもある。ロックンロールってのは日々のサウンドトラックなんだよっていう意味ですね」

不安しかない

――収録曲は、〈火山盤〉に入ってた曲もあるし、Eggsに載せてた曲もあるし、新曲もありますよね。それはなんでこの13曲になったんですか?

宮川「“右往左往”は〈火山盤〉にも入ってたんですけど、自分の中でやりたかったことができてた曲で。それも川井ちゃんが加入してくれたから実現できたんです」

“右往左往”のライブ映像
 

川井「“右往左往”がきっかけで、さっき言ったみたいに自分がガキの頃好きだったような曲を作ろうって話になったよね。そこから曲を作っていったから、自然とそういうテーマに沿ったものを選んでいったんだと思います」

宮川「アイドルズとかフォンテインズD.C.とかシェイムとか、今のサウス・ロンドンのパンク・シーンみたいなね。ああいうバンドが受け入れられてる土壌がうらやましいです。日本のバンドは全部ダサくて大嫌いで(笑)」

――それはよく知ってます(笑)。今になってようやくやりたいことができるようになってきた、と。

川井「そうですね。素直になってきたのかな」

――BurnQueはイギリス行ったらウケるかもしれないですね。

宮川「あっちにも音源を送りつけようかなとか思ってたよね。でもその前に、日本の友達に音源を送っても誰からも反応がなくて、〈これ、もしかしてコケたか?〉って思ってます(笑)」

――何言ってんですか(笑)。たしかに〈火山火山言ってた頃からは変わったな〉とは思いましたけど、ちゃんと聴けば〈おっ?〉と思うはずですよ。

宮川「こっちは〈今回はヤバいやつ作っちゃったな~〉って思って送ったのに」

川井「俺もそうで。さっき名前を挙げてたシェイムの新譜(『Drunk Tank Pink』)と聴き比べてもBurnQueは遜色ないなって思ったし、もう聴きすぎて飽き始めてるくらいで(笑)。だから何の反応もないのはショックですよ」

――あと、2020年ってナマのギターの音を全然聴かなかったんですよ。だからみんな、こういうパンク・ロックで盛り上がる感じを忘れちゃってるんじゃないかなあ。

宮川「ああーなるほどね。日本でカッコいいバンドってみんなギターがうるさくないんですよ。で、結局フィッシュマンズに辿り着いちゃうし」

――よく、出来上がってからリリースするまでの間ってドキドキするって言いますよね(※このインタビューはリリース前に行われた)。

宮川「今までは録ってすぐリリースしてたから余計にね。アルバムも初だし、全国流通も初で」

――全国のタワーレコードでもお買い求めいただけます(笑)。その辺はどうですか?

宮川「普通に嬉しいです。これで奥さんの実家でもミュージシャン面できる。イオンにCD置いてあるかなあ。誰が買うのかな、売れないよね(笑)。リリース前に不安しかないっていう」

――ヤバいやつが出来たのに、何かモヤモヤしてるんですね。

川井「誰からも反応がないからですよ」

宮川「『春』の時のインタビューはもっと熱かったのにな。それか、『春』で強く意気込んでリリースしたのにコケたっていうのもあるかもしれない」

川井「『春』は出来てすぐ録ったから、〈これを出したらイケる!〉っていうのはありました。もちろん今作でもそう思って録ったんですけど、それは今、あの時と状況が変わってないっていうのもあるかもしれないです」

感想ください

――今後のライブでは火山時代の曲もやるんですか?

宮川「混ぜてやりますよ」

――もう服は脱がない?

川井「服着てやってます(笑)」

――意味不明なMCは?

川井「〈火山〉って言わなくなってからMCであんまり喋らなくなりましたね。言いたいことは歌詞で言ってるし」

宮川「〈ありがとう〉と〈さよなら〉だけは言おうと決めてて」

川井「(笑)。喋る時間があるならその分曲やりたいしね」

宮川「ライブに行くっていうことがもう日常じゃなくなったんですよ。なのにせっかくライブに来て知らないバンドがベラベラ喋ってたら、〈お前なんで出てるんだよ〉って気持ちにさせちゃうなと思って」

――なるほどね。それはよく分かるけど、ちょっと寂しい気もします。

川井「火山時代の昔の曲も、今やると今のタイム感になってるんですよ。だからそれはそれで新鮮で。音も小さくなったよね」

宮川「それでも普通のバンドよりデカいけどね(笑)」

――昔はうるさかった~。

川井「そういう表現もちゃんとできるようになりました」

宮川「〈何をいまさら〉でしょ(笑)」

――(笑)。初の全国流通アルバムを出して、ツアーがあるわけでもなく。今後はどうするんですか?

川井「でも3月に大阪は行くんです。先月初めて大阪へクルマで遠征に行って、手応えがあったりなかったりしたんです」

宮川「ファンダンゴはバカウケ、BRONZEは激スベりで。ファンダンゴはドッカンドッカンウケたんで、ちょっと火山に戻っちゃったもんね(笑)。でも火山と言わなくなってからの方がライブに誘われることが多くなって。服着てるからかな(笑)」

――今後は、お誘いがあればどこへでもってことですね。全然喋らない出口さんの近況は?

出口「鹿の一族とBurnQueが対バンした時に、松崎ナオさんに誘ってもらって、サポートをやらせてもらうことになりまして。楽しかったし、ライブが終わった後でお家にお邪魔させていただいて、ブラジル音楽とかを聴かせていただいて、〈こういうリズムもあるのか〉って勉強になりましたね。自分からはなかなか調べていくタイプではないので」

――でも人から教えられたらグングン吸収するタイプですよね。

出口「あ、モロそうですね。いろいろ教えてもらいたいです。あと3月31日に宮崎歩さんという方のライブでドラムを叩きます」

宮川「『デジモン(アドベンチャー)』の“brave heart”の人!? やばっ!!」

川井「知らなかった、めっちゃすごいじゃん! もっと告知した方がいいよ」

出口「高校で一緒だったバンドのギター・ヴォーカルが宮崎さんの息子さんで。BurnQueの映像も観てくれてるらしいです」

宮川「映像と言えば、BurnQueのMVの再生数が全然伸びないんだよね。そういうところからも分かる、忘れられた感」

本作収録曲“叫べ少年”のMV
 

――もう一回〈火山〉に負けないキャッチフレーズなりアイコンなりを作って、印象付けましょう。

宮川「だから〈ロック・バンド〉じゃないっすか?」

――それじゃ検索しても引っかからない(笑)!

宮川「だから、誰が買うんだろう?って心配してます。たぶん、今まで〈うえ~なんだコイツらおもしれ~〉ってはしゃいでたヤツらからしたら、面白くなくなったんだなって思います。取っつきやすさみたいなものがなくなった。でも、音楽的に興味を持ってくれるような人にはもっと早々に見切りを付けられてるし」

――そんなことないと思いますけど(笑)。例えば派手なメイクとか被り物をしてるバンドがいて、それらを取ったらどこまでファンが付いてくるかってことじゃないですか? 結局ほとんどの人はアイコンとか分かりやすさとか、やれイケメンだ、やれカワイイだだけで認識していて、本質の音楽を聴いてる人はそんなにいないんですよ。

宮川「そういう意味で言えば、これまでのイメージを取っ払って聴いてもらいたいとは思います。これまでとバンド名が同じなだけで、なぜか全くの新人のCDが全国に出回ってると思ってもらって。〈どうもBurnQueです! 今まで路上でCDを1200枚売って、ここまで辿り着きました!〉みたいなものは無くしてね」

川井「でも前情報がないと人は買わないんだよ(笑)」

――例えば僕が〈めっちゃうまい白米作ったんですよ、食べてください〉って言っても、スーパーに売ってるあきたこまちを買っちゃいますよね。そういうもんですよ。なんだか今日はお悩み相談みたいになっちゃった。

宮川「こうなるとは思ってたんですよ(笑)。だから誰かに推薦コメントをもらおうと思ったのに、誰からも返ってこないんだよな。梶原(笙/So Sorry,Hobo)も感想くれないし。Gateballersのレビューではすごくいいこと書いてたのに。だからMikiki編集部の人、全員からコメントをもらえませんか? 酷評でもいいので」

――いいですけど、みんなそれぞれ好みが違うから、ちゃんと聴いてちゃんとコメントくれるかなあ。

川井New Biboujinを推してくれてるTOWER DOORSの小峯さんにもぜひお願いします!」

――分かりました(笑)。あとは聴いた人にSNSで〈#BurnQue〉を付けて感想をもらって、抽選で何かプレゼントするとかすればいいんじゃないですか?

一同「(笑)」

 


『激情』について編集部員からのコメント

Mikiki編集部 鈴木英之介
いやになるほど複雑に絡まり合い、もつれてしまった糸のようなこの時代。アーティストたちは思い思いのやり方で、そのもつれをなんとか解こうと四苦八苦している。そんな中、BurnQueがハードなロック・サウンドに乗せて発する愚直なまでに熱い叫びは、あたかもブレイクスルーであるかのように響く。糸が解けないのならいっそ断ち切ってしまえ、というように。その鮮烈さ・痛快さは、深刻な不況にあえいでいたかつてのイギリスにおける、セックス・ピストルズの登場を思い起こさせる。

 

Mikiki編集部 天野龍太郎
ブルース・ルーツのロックってイマドキ珍しいので、何周か回って逆にこれからそういう時代がくるんじゃないかと思いました。

 

Mikiki編集部 酒井優考
一発屋と呼ばれる人がヒット曲の路線から脱却しようとしてみたり、シティー・ポップで売れたバンドがシティー・ポップから脱却しようとしてみたり、自分で〈○○系〉って言い出したのに売れたらやめてみたり、そういうことは音楽界ではよくあることだと思うけど、いくら〈火山〉をやめてもBurnQueは〈火山〉。たぶん今はさなぎ、もしくは休火山の状態で、いつか「HUNTER×HUNTER」のモントゥトゥユピーみたいに、地中に蓄えたマグマのごとき激情を冷静に冷静にコントロールできるようになると思う。そういう意味では、このファースト・アルバムから目を付けておけばこれから面白い進化の仕方を見られるんじゃないかなあ。

 

TOWER DOORS 小峯崇嗣
2020年はコロナ禍の影響で一切ライブにも行けず、思い返せば内省的な楽曲ばかり個人的に聴いていました。しかし自由にもライブに行くことのできず鬱積のたまったいまの時代だからこそ、BurnQueのストレートなサウンドにグッときました。
疾走感のあるギター、パワーのあるドラム、歪ゴリゴリのベース音。アルバムのタイトル通り〈激情〉に駆られるようなサウンドが、骨の髄にまで沁みました。初期パンクを想起させるような、BurnQueの三者三様のそれぞれの初期衝動が堪能できるアルバムに仕上がっていると感じました。