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India Shawn feat. Unknown Mortal Orchestra “Too Sweet”

天野「この“Too Sweet”には驚きました。LAのR&Bシンガーであるインディア・ショーンがニュージーランド出身のサイケデリック・ロック・バンドであるアンノウン・モータル・オーケストラをフィーチャー、という意外性のある組み合わせの楽曲だったからです。でも、ばっちりハマっている。現代的なR&B × サイケのマリアージュですね」

田中前シングル“Movin’ On”(2020年)はアンダーソン・パーク(Anderson .Paak)をフィーチャーしていて、ショーンは彼が率いるフリー・ナショナルズ(The Free Nationals)のライブにもよく参加しているそうですね。来日公演にも帯同していたのだとか。古き良きソウルの土臭さと現代的な洗練が同居しているあたり、ショーンとパークの音楽性は似ています」

天野「なお、ショーンはユニバーサルからのメジャー・デビュー・アルバムを制作中だとか。また、“Too Sweet”のミュージック・ビデオは明日2月27日(土)にアップされるので、お見逃しなく!」

 

Noname “Rainforest”

天野「今週最後の曲です。ノーネームの“Rainforest”。昨年、ノーネームはJ・コールと一悶着あったのですが……。それはさておき、そのときの“Song 33”(2020年)以来、7か月ぶりの新曲です。彼女が制作中の新作『Factory Baby』からのシングルと見られています」

田中「カヴァー・アートは、昨年再燃して大規模化したブラック・ライヴズ・マター運動の路上の様子をそのまま写し取ったイラスト。カウント(The Kount)によるラテン風のビートはダンサブルですが、ノーネームはいつもどおり淡々と言葉を紡いでいます」

天野「〈愛〉について煩悶するノーネームの姿やBLM後の現状に対する複雑な心境がリリックから読み取れますね。〈億万長者にどうエクスキューズするの?〉〈革命が起こるまで供給は続く/ファック『グッド・ウィル・ハンティング』、これは最新の殺人/革命的な自殺、それで閉幕〉と痛烈な言葉ばかり。温存される格差や差別の構造を嘆いているのでしょうか」