今でも人生で初めてスタジオに入った時と同じ気持ちになる
――『A Catholic Education』と言えば、あのアルバムからのシングル“Everything Flows”で、〈君は毎年、年を取っていく/でも君は変わらない/もしくは、僕が気付いていないのかも〉と歌っていました。実際に年を取った今、このフレーズについてどう感じますか?
ノーマン「すごく真実味を帯びてきたと思うよ。僕は、年を取ってもみんな内面は若い頃と変らないような気がしている。外見は変わるんだけど、精神面は同じなんだ。特に長年バンドをやっていると、アルバムを発表するたびに自分が変化していくのを実感するわけじゃない。音楽的に連続性を保っているし、今も昔も同じ人たちが鳴らしているように聴こえる。実際、今でもスタジオに行く時は、人生で初めてスタジオに入った時と同じ気持ちになる。もちろん昔より知識は豊富だけど(笑)、同等にエキサイティングだし、そのエキサイトメントを感じられなくなったら辞めるべき時が来たってことなんじゃないかな」
レイモンド「変化ってものは長い時間をかけて少しずつ起きる。昔の写真を見ると随分年を取ったなって実感するわけだけど(笑)、今も中身は同じ人間だと思うし、『A Catholic Education』も『Endless Arcade』もアプローチは全く同じだよ。スタジオに行って、自分たちが正しいと感じることをやるだけ。
そして自分たちの直感を疑わないよう心がけているんだ。〈前作ではこうだったから今回は……〉という考え方はしない。その時々にやりたいことを全力でやり遂げる。もちろん、アプローチが変わらなくても、結果として生まれる音楽は違ってくるんだけどね」
ノーマン「ほら、バンドを結成したばかりの頃は、ほかのアーティストの影響が強く表れるものだよね。好きなアーティストの色んな要素を寄せ集めて、独自のサウンドを作り出そうとするわけだから。
でも徐々に自分たちが得意とすることが見えてきて、そこに力を注ぐようになる。僕らの場合はそれがヴォーカル・ハーモニーだったんだろう。その一方でギター・サウンドはあまり変わっていなくて、僕とレイモンドのギターのバランスは『A Catholic Education』の時に確立されていた気がする。
つまり経験を積むことで、各メンバーが得意なこと、バンドとして得意なことが浮き彫りになって、そこを重点的に伸ばす努力を重ねるんだよ。僕らはまさにそうしてきた。でもレイモンドが言う通り、余計なことを考えないで、とにかくみんなで集まってプレイして、曲を作り上げていく。すごく単純なことだよ」
TFCの新作はすぐに届けられる?
――そういえば、すでに次のアルバムに着手したとも報じられています。真相のほどは?
レイモンド「まだ作業は始めていないけど、やろうっていう話はしているよ。こんな状況でツアーをいつスタートできるか分からないから、時間を有効に使いたいと思ってね」
ノーマン「ミュージシャンとして僕らは、常にレコーディングしているか、でなければツアーをしていたい。それが僕らの仕事であって、今後はアルバムとアルバムの間に長い空白を空けたくないんだ。こうして活動を続けられる恵まれた立場にあって、レコーディングやライブ・パフォーマンスから大きな喜びを得ている。可能な限りそれを実践するべきだと感じるようになったんだよ」
RELEASE INFORMATION

TEENAGE FANCLUB 『Endless Arcade』 PeMa/Pヴァイン(2021)
リリース日:2021年4月30日(金)
■日本盤CD
品番:PCD-25317
定価:2,750円(税込)
解説・歌詞対訳付

■限定CD+Tシャツ・セット
品番:PCD-25317TS/PCD-25317TM/PCD-25317TL/PCD-25317TXL
定価:6,600円(税込)(全サイズ共通)
Tシャツ・サイズ:S/M/L/XL(ボディ:United Athle)
ボディ・カラー:ブラック
完全受注生産限定
※CDはPCD-25317と同一商品です

■限定帯付きカラーLP
品番:PLP-7127
定価:4,950円(税込)
クリア・グリーン・ヴァイナル仕様(海外直輸入盤)
日本限定帯付き仕様
完全初回生産限定
TRACKLIST
1. Home
2. Endless Arcade
3. Warm Embrace
4. Everything Is Falling Apart
5. The Sun Won’t Shine On Me
6. Come With Me
7. In Our Dreams
8. I’m More Inclined
9. Back In The Day
10. The Future
11. Living With You
12. Silent Song