私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。

そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部

【アーティストと音楽関係者が選ぶ〈コロナ時代の1曲〉】記事一覧はこちら


 

川嶋あい

シンガー・ソングライターの草分け的存在である川嶋あい。2003年にI WiSHのaiとして人気番組の主題歌“明日への扉”でデビュー。2006年からは本格的にソロ活動をスタート。代表曲の“旅立ちの日に・・・”は卒業ソングの定番曲として大人気を誇る1曲となっており、卒業式シーズンには、サプライズ・ライブも実施している。2021年3月に“どうにか今日まで生きてきた feat. 藤巻亮太”をデジタル・リリース。8月20日(金)には2年ぶりとなるワンマン・ライブの開催が予定されている。

 

コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?

MIYAVI “Holy Nights”(2020年作『Holy Nights』収録)

良い音楽に出逢えた時、全身が幸福に満たされるあの独特の高揚感は、そんなたやすく訪れるものではない。昨年の春、コロナウイルスの蔓延で不安に押しつぶされそうだった時、その出逢いが私にもたらされた。MIYAVIさんの“Holy Nights”。

一見するとエッジの鋭いロック・ナンバーかと思いきや、この曲はいくつもの表情を隠し持っている。気持ちの上がってゆくテクニカルなサウンド・アレンジに、まるで交差してゆくような淡々と駆け抜けるのに耳残りの強い郷愁あふれるメロディーライン、そこに寄り添う叙情感たっぷりの歌詞。キャッチーなところで重なり合うコーラスワークにも無駄がなく、その全てに魅了された。

勝手なイメージをするに、この曲の放つ景色は〈夜明け〉。薄暗いところからにじんで顔を出した暁のように、モヤモヤしたところから少しずつ光をたぐり寄せ、固まった心を解き放ってくれる。そして、全体を通してどこかに切なさがあり、それがとても心地良いのだ。まるで美しく強烈な短編小説を読んだ後のような清々しさを、何度聴いても味わうことができる。

 


LIVE INFORMATION
タイトル未定
2021年8月20日(金)東京・渋谷 LINE CUBE SHIBUYA
主催:つばさレコーズ/キョードー東京
時間:開場 18:00/開演 19:00 ※変更となる場合がございます
チケット:プレミアチケット 11,500円/一般チケット 7,500円
プレイガイド:イープラス/チケットぴあ/ローソンチケット/CNプレイガイド
プレイガイド先行抽選:2021年5月24日~6月23日(水)23:59
一般発売:2021年6月26日(土)10:00
★詳細は川嶋あいオフィシャルサイトにて

 

RELEASE INFORMATION

川嶋あい “どうにか今日まで生きてきた feat. 藤巻亮太”
リリース日:2021年3月12日
フォーマット:配信シングル
クレジット:作詞 川嶋あい/作曲 藤巻亮太
配信リンク:https://orcd.co/aikawashima_sofarhavingbeenlivingfeatryotafujimaki