2018年発表の『Steve Gadd Band』が、第61回グラミー賞のベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞し、その後実現した来日公演の模様を録音したのが本作。ギタリストがマイケル・ランドウからデヴィッド・スピノザに変わっているが、彼の無駄のないギターとガッドとのアンサンブルはシンプルでありながらも誰にも真似できない唯一無二のグルーヴを生み出している。一音一音の迫力と神業の数々に終始圧倒されっぱなし。M3やM6など、ランドウが弾いていた曲がスピノザ流の解釈で異なる雰囲気に生まれ変わっており、その聴き比べもまた楽しみの一つ。