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コラム

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』名曲から新定番まで、タワレコ限定コンピが伝えるシティ・ポップの今

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』名曲から新定番まで、タワレコ限定コンピが伝えるシティ・ポップの今

2021年7月9日から始まったタワーレコードの〈SUMMER BREEZE ’21キャンペーン〉。同キャンペーンの一環としてリリースされたのが、コンピレーション・アルバム『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』だ。

2枚組の本作は、世界的に注目されるシティ・ポップの名曲をタワレコのバイヤーが〈グルーヴ基準〉で厳選。山下達郎、松任谷由実、筒美京平、大滝詠一といったアーティストに関連した往年の名曲から新定番、レア音源や未配信曲、新旧のカヴァーまで、31曲が選ばれている。鈴木英人が手がけた見事なイラストとの相乗効果で、眩しい夏にぴったりの作品に仕上がった。

今回はそんな『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』について、「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」の編著で知られるディガー集団〈lightmellowbu〉のthaithefishが綴ってくれた。 *Mikiki編集部

VARIOUS ARTISTS 『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE(タワーレコード限定)』 ユニバーサル(2021)

 

シティ・ポップの夏が今年もやって来た

異国の街の物語(ストーリー)/いつもと違う街のさざめき/ざわめくホテルのロビー/ショー・ウィンドウに映る相変わらずの二人/ひと箱の煙草/砂の舞う海沿いの駅/港で手をふるあなた/星屑の夜の果て――。

あの夏が今年もやって来た。それは何度目の夏なのか、シティ・ポップと謳われる音楽の世界観は今も尚、人々を魅了してやまない。爽やかで心地よいメロディー、当時のアイデアが詰め込まれた実験的なアレンジ、そして風景と情景を描くロマンティックなリリック。

そんなシティ・ポップは2010年代に入り加速度的に再評価された訳だが、若い世代には発見する興奮を、年長世代には発見される喜びをもたらした。抽象的な呼称である為、時には議論の的になりがちなシティ・ポップであるが、今回のタワーレコード企画のコンピレーション『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』からはそんな現在のアンビヴァレントなムードを感じ取る事ができる。

 

80年代の重要曲から新世代の楽曲、新旧カヴァーまで

再生と同時にドライヴ感を高めてくれる、新田一郎(スペクトラム)によるホーン・アレンジに心が走り出す芦部真梨子“ハイウェイ・ダンサー”(84年)から始まり、NORIKIのディスコグラフィーでも特に人気のある国分友里恵をヴォーカルに起用した“Do What You Do”(83年)と“Night Lights”(84年)や、鳥山雄司の作編曲が素晴らしいブリリアントなブギーの和田加奈子“SUNDAY BRUNCH”(87年)、希少なベスト・アルバムのみの収録ゆえ根強くウォントされている大橋純子のアーバン・グルーヴな“A LOVE AFFAIR”“I LOVE YOU SO”(84年)といった国内外のDJから支持が厚い楽曲……。

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』収録曲NORIKI“Do What You Do”

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』収録曲 和田加奈子“SUNDAY BRUNCH”

昨今密かな注目を集めている90〜2000年代のシティ・ポップからはICE“MOON CHILD”(94年)やキリンジ“愛のCoda”(2003年)、冨田ラボ“眠りの森 feat. ハナレグミ”(2003年)、FUTABA“David featuring 横田はるな”(2008年)等の端正でフレッシュな楽曲が選曲されている。中でも山下達郎“SPARKLE”を大胆かつグルーヴィーにサンプリングしたBOO“smile in your face -Featuring MURO-”(2002年)は今年のRECORD STORE DAY7インチ・シングルの再発が注目された、非常にタイムリーな一曲だ。

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』収録曲キリンジ“愛のCoda”

また、シティ・ポップのカヴァーがバズとしてひしめく今、Ms.OOJA“真夜中のドア~Stay With Me”(2020年)、中澤真由“FUNKY FLUSHIN’”(2002年)、樹里からん“あまく危険な香り”(2011年)、佐藤博“朝は君に〜レインボー・シー・ライン”(96年)の様な新旧カヴァーが収められている点もおもしろい。

『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE』収録曲 佐藤博“朝は君に〜レインボー・シー・ライン”。吉田美奈子への提供曲のセルフ・カヴァー

 

シティ・ポップの〈今〉を伝えるコンピ

そんな再評価の支流のみならず来生たかおや稲垣潤一、野口五郎などオールド・スクールな本流のシティ・ポップの楽曲もグルーヴ基準でチョイスされており、多角的にムーヴメントを捉える事ができる。アンビヴァレントであるがゆえに、例えば、いずれかの支流からシティ・ポップを聴き始めたリスナーが安部恭弘の“STILL I LOVE YOU”(83年)や“Tight Up”(84年)に新鮮さを見出す様な素敵なバック・トゥ・ベーシックが起こりそうなコンピレーションだ。

〈NOW〉などと言うとまるで中古CDショップに並ぶコンピレーションの様ではあるが、シティ・ポップの〈今〉を伝える本作は初心者、中上級者問わず楽しませてくれる筈だ。

 


RELEASE INFORMATION

VARIOUS ARTISTS 『SUMMER BREEZE -CITY POP- PRIME JAPANESE GROOVE(タワーレコード限定)』 ユニバーサル(2021)

リリース日:2021年7月9日
品番:PROT-1301/2
仕様:SHM-CD 2枚組
価格:3,520円(税込)
企画・販売:タワーレコード株式会社
制作:ユニバーサルミュージック合同会社
全31曲収録/2021年リマスタリング仕様/歌詞付き

TRACKLIST
DISC 1
1. 芦部真梨子 “ハイウェイ・ダンサー”(作詞:大津あきら 作曲・編曲:志熊研三)(1984年)
2. BOO “smile in your face -Featuring MURO-”(作詞:R.SHINOZAKI/MURO 作曲:R.MATSUMOTO)(2002年)
3. NORIKI “Do What You Do”(作詞:Dwight Waldron 作曲・編曲:野力奏一) (1983年)
4. 槇原敬之 “MAGIC TOUCH”(作詞・作曲:山下達郎 編曲:槇原敬之)(2014年)
5. 原久美子 “Magic Night”(作詞:崎 南海子 作曲:山下達郎 編曲:乾裕樹) (1979年)
6. ICE “MOON CHILD”(作詞・作曲:宮内和之)(1994年)
7. 和田加奈子 “SUNDAY BRUNCH”(作詞:三浦徳子 作曲・編曲:鳥山雄司)(1987年)
8. 安部恭弘 “STILL I LOVE YOU”(作詞:松本隆 作曲:安部恭弘 編曲:難波弘之) (1983年)
9. 野口五郎 “グッド・ラック”(作詞:山川啓介 作曲:筒美京平 編曲:高田弘) (1978年)
10. 大橋純子 “I LOVE YOU SO”(作詞:大橋純子 作曲・編曲:佐藤健)(1984年)
11. 野口五郎 “異邦人”(作詞:松本隆 作曲・編曲:筒美京平)(1977年)
12. NORIKI “Night Lights”(作詞・作曲:M.Imaizumi/野力奏一/M.Lee/国分友里恵 編曲:野力奏一)(1984年)
13. 風見りつ子 “アヴァンチュリエ”(作詞:麻生圭子 作曲・編曲:山川恵津子) (1986年)
14. ウルフルズ “TIGHTEN UP -しまっていこう-”(作詞・作曲:Archie Bell/Billy Buttier 日本語詞:トータス松本)(1998年)
15. キリンジ “愛のcoda”(作詞・作曲:堀込高樹 編曲:冨田恵一)(2003年)

DISC 2
1. 大橋純子 “A LOVE AFFAIR”(作詞:大橋純子 作曲・編曲:佐藤健)(1984年)
クラリオンCMソングとして使用されたアーバン・グルーヴ。ベスト盤『MAGICAL/大橋純子の世界III』のみで聴けた希少楽曲。
2. 安部恭弘 “Tight Up (single version)”(作詞・松本隆 作曲:安部恭弘 編曲:Charlie Calello コーラス編曲:安部恭弘)(1984年)
3. 野口五郎 “スクランブル・エッグ”(作詞:伊藤アキラ 作曲:野口五郎 編曲:富樫春生)(1981年)
4. FUTABA “David featuring 横田はるな”(作詞・作曲:矢野顕子 編曲:安部潤) (2008年)
5. 村田有美 “不思議起きて”(作詞:村田有美 作曲・編曲:笹路正徳)(1985年)
6. Ms.OOJA “真夜中のドア~Stay With Me”(作詞:三浦徳子 作曲・編曲:林哲司 編曲:JiN/Futoshi Kawashima) (2020年)
7. 稲垣潤一 “オーシャン・ブルー”(作詞・作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆) (1984年)
8. 来生たかお “スローモーション”(作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星勝/萩田光雄)(1983年)
9. 井上鑑 “バルトークの影”(作詞・作曲・編曲:井上鑑)(1982年)
10. 中澤真由 “FUNKY FLUSHIN’”(作詞:吉田美奈子 作曲:山下達郎 編曲:satoshi kadokura)(2002年)
11. 樹里からん “あまく危険な香り”(作詞・作曲:山下達郎 編曲:SHINJI AKITA) (2011年)
12. 佐藤博 “朝は君に~レインボー・シーライン”(作詞:吉田美奈子 作曲・編曲:佐藤博)(1996年)
13. LOGIC SYSTEM “BE YOURSELF”(作曲:Nathan East 編曲:KATSUNORI ISHIDA/松武秀樹)(1981年)
14. 冨田ラボ “眠りの森 feat. ハナレグミ”(作詞:松本隆 作曲・編曲:冨田恵一) (2003年)
15. 稲垣潤一 “バチェラー・ガール”(作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:井上鑑) (1985年)
16. 松尾清憲 “サニーシャイニーモーニング”(作詞:湯川れい子 作曲:松尾清憲 編曲:白井良明)(1987年)