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トム・ウェイツの共作者、キャスリーン・ブレナン

キャスリーン・ブレナンはトム・ウェイツの妻であり共作者でもあり、かつミューズである。結婚前、トム・ウェイツはベット・ミドラーやリッキー・リー・ジョーンズと恋愛関係にあったと言われている。ウェイツは79年、映画「パラダイス・アレイ」に出演していた際にキャスリーン・ブレナンに出会った。キャスリーンは当時、映画制作会社に勤めていて、住んでいたニュー・ジャージーからNYのスタジオに通っていたという。ウェイツは彼女に一目惚れし、優しいラヴソングを書き上げた。二人は80年に結婚。キャスリーンはウェイツにキャプテン・ビーフハートを紹介するなど、ウェイツがスタンダードなフォークやブルースから脱却し、ストリングスを含むより深みのあるスタイル(83年にウェイツが初めてセルフ・プロデュースした『Swordfishtrombone』のようなスタイル)へ移行するきっかけを作った。

また、87年の『Frank’s Wild Years』以降、キャスリーンは多くのウェイツの曲に共作者として名を連ねている。“Jersey Girl”はウェイツ・ファンにとって人気ナンバーワン・ソングだが、ブルース・スプリングスティーンのカヴァーで人気に火がつき、その後多くのアーティストにカヴァーされている。

 

デヴィッド・ボウイの元恋人、ヘルミオーネ・ファージンゲール

ヘルミオーネ・ファージンゲールはイギリスのダンサー兼女優で、現在はヨガ・ピラティス講師を務めるおばあちゃん。あまり知られていないが、実はデヴィッド・ボウイの元恋人である。彼らは68年の1月、BBCのドラマで、脇役俳優兼いくつもの潰れたバンドを渡り歩いていた貧乏ミュージシャンと身長177センチの女優として出会った。二人はすぐに激しい恋に落ち、ロンドンで同棲を始める。

裕福な彼女の父親が二人の関係を認めなかったり、デヴィッドが彼女に妻として家にいて欲しいと求めたこと、またデヴィッドの乱れた性生活など、多くの問題を抱えていた二人だったが、69年に彼女が映画「ソング・オブ・ノルウェー」に出演するためスカンジナビアに行ったことから破局。その後すぐにデヴィッドは『Space Oddity』(69年)で成功を収める。後にBCCのインタビュー番組で、デヴィッドはこの破局について、〈ものすごく傷付き、乗り越えるのに長い間かかってしまった〉と打ち明けている。

“Letter to Hermoine”というラヴソングを含む彼の曲の多くに、ヘルミオーネの影響を見る人間は多い。ヘルミオーネは今までボウイとの関係について言及したことはないが、2013年のデヴィッドの“Where Are We Now”のMVでは、彼が〈Song of Norway〉と書かれたTシャツを着用しており、MVの公開後に二人は顔を合わせたと言われている。当時、デヴィッドはすでにイマン・アブドゥルマジドと結婚していた。