バンド結成10年という節目を記念するニュー・アルバム。LAとグラスゴーという2つの拠点から、メンバー同士がリモートワークを通じて制作したという作品で、プロデュースからミックスまでも彼ら自身で手掛けている。グレッグ・カースティンと組んだ前作でバンド史上最高にブライトな音を得た彼らだが、今回はそれを引き継ぎながらもサウンドは過去作に比べて尖っており、良い意味で攻撃的な印象。つまりはチャーチズらしいポップでセンティメンタルな感覚を保ちつつ、まさにタイトルに通じるシリアスな世界観を見事に描いた新境地の作品というわけだ。“How Not To Drown”では彼らがリスペクトするロバート・スミスとの共演も実現。成熟したローレンのヴォーカルとの見事な掛け合いが楽しめます。