これが現体制最後のインタビュー? 常識破りなデビューから剥き出しの感情を全開に駆けてきた4人はファストなファースト・シングルでどこへ向かう?
WACK発のミステリアスな新グループとして、まだ初々しい4人に初取材したのはお披露を目前に控えた4月末のこと。そこから5月に初ライヴとアルバム『ANAL SEX PENiS』発表があり、さらには夏にかけて東名阪での〈ASP's on FiRE TOUR〉、7都市を巡る〈TOUR STARFUCKERS〉という2本のツアーも完走して、ASPという4人組のアグレッシヴな存在感はいよいよ立体化してきました。そんな状況をパンキッシュに加速させるのが、今回リリースのファースト・シングル“the MAN CALLiNG”。早くも〈BiS and ASP 新メンバー合同オーディション〉が同時進行するなか、4人体制でのインタビューはこれが最後になる……のかも?
環境も中身も変わった
――ASPとして集まってからの半年を、改めて振り返ってみていかがですか。
モグ・ライアン「いや、ASPになる前の生活とはホントに全然違くて。夏なんて外に出なかったのが、いまは外に出るのがほぼ毎日ですし(笑)、ひたすらASPのことを考えたり、脳も身体もフルでずっと動いてて、生きてるって感じがします。昔の自分がWACKのライヴとかを観て楽しんできたものも、メンバーさんたちが凄くたくさん考えて出来ていたんだなって実感しています」
ナ前ナ以「あっという間でした。モグちゃんも言うように、ASPのこと以外を考えることもなくて、気付いたら〈もう9月なんだ〉って感じで。ずっと前から自分を変えたいって思ってたので、ASPになって環境も中身も凄く変わりました」
――この半年でいちばん印象深かった出来事って何でしょうか。
ユメカ・ナウカナ?「つまらない回答なんですけど(笑)、私の中では全部が印象に残っていて。ASPになってから、ライヴひとつひとつの感覚というものも変わってきて、その一瞬一瞬はその一瞬一瞬しかないから大切にしようって気持ちがよりいっそう深まったので、どれがっていうより、やっぱりすべてのことが印象に残ってますね」
ナアユ「活動が始まってからの出来事は初めてのことばっかりで、もちろん印象に残ってるんですけど、その瞬間の気持ちが絶対に忘れられないのは、いちばん初めにデモをいただいた時です。松隈(ケンタ:サウンド・プロデューサー)さんの曲を自分が歌えるのがすっごく嬉しかったし、まだフルでもなくて、松隈さんの低いキーでの仮歌だったんですけど、それでもずっとずっとお風呂でも聴いてたぐらい嬉しくって(笑)、その衝撃がホントに忘れられないです。全部が嘘みたいに嬉しかったし、ホントに〈夢なんじゃないかな?〉って」
――活動が始まってからは〈夢〉じゃなくてもっと日常的な現実になったということですかね。
ナアユ「そうです。いまの活動は現実でがんばっていることなので、最初に曲をいただいた時とかの感覚とはまた違うものになってるって思います」
――なるほど。具体的に活動が始まって、各々の印象は変わりましたか?
ユメカ「それぞれ変わってきてますね。例えばモグちゃんは自分で考えて追求してることが自分自身の力になってるんだろうなっていうのがパフォーマンスにも出ていて。小さい身体なのにステージだと力強く見えるし、歌もどんどん上手くなってるし、たぶんいろんなことを凄く考えてるんだなって。変化が目に見えてわかるので」
ナアユ「モグちゃんを見て〈私ももっと動こう〉って思うぐらい大きく踊ってて、それはわかりやすく変化を感じるところですけど、きっとダンスとかだけじゃなくて、考え方とか内面もASPになっていっぱい変わってるんだろうなって思います」
ナ以「モグちゃんは冷静に物事を分析して、いまのASPを凄く見てくれているなって思います。大きく分けたら自分とモグちゃんは活動を始めた時期が一緒なので、やっぱりそういう部分では〈モグちゃんがこんなに成長してるんだから、私も負けないぞ〉って思える存在です」
――ベタ褒めじゃないですか(笑)。
モグ「いや、いままで関わってきた人のなかでいちばんいい人たちですよ(笑)」
ユメカ「何を言ってんのよ」
――ナ以さんについては?
ナアユ「ナナシちゃんは、ASPを私が人に自慢する時に〈ナナシちゃんのこと言いたい〉って思うぐらいASPに必要な存在です。全員が必要ではあるんですけど、何て言うんだろうか……まったく未知のところから来て、ミステリアスだって言われる感じもあって、ライヴ・パフォーマンスはすっごくカッコ良くって。ASPの鍵みたいな」
――いまのASPらしさを形成してる大事なピースというか。
ナアユ「はい。1人でも違ったら全然違うグループだったと思うけど、ナナシちゃんは特にそう思います」
ユメカ「一緒にいてわかったのは、話すことがおもしろいんですよね。それはちょっとみんなに注目していってほしいところです。なのに、ライヴではホントに感情が溢れすぎて、誰が見てもすげえなって思う表情をするので圧倒されてます。みんなに生で観てほしいって思うくらい、ライヴならではのリアルな表現が出てるんですよね。そこは自分もやりたいと思ってできないので、焦るし、嬉しいんですよ」
――結成前から交流があったナアユさんとユメカさんはどうですか?
ナアユ「前はお友達みたいな感じだったんですけど、一緒のグループになって、いっぱい印象は変わりました。何か最近、私はユメカちゃんがいたら一生がんばれるなって思うんですよ。そう思える人に出会ったのは初めてで。人のためにASPをがんばるわけじゃないけど、ユメカちゃんがいたら私もずっとがんばれるなって思います」
――それはなかなかですね。
ユメカ「いや~、そんなこと言ってもらっちゃって(笑)。でもホント、一緒のグループになるなんて絶対ないと思ってたし、そりゃ、ナアユちゃんの可愛さは前から知ってました。でもライヴになるとガラッと一変して、自分の生き様みたいなものがパフォーマンスに出てる感じがするんです。最近はどんどんそれが力強くなっていて、カッコイイなって。ステージに立ってる時にナアユちゃんの歌が聴こえると、私もその熱量を繋ぐぞって思うんですよ。ライヴ中は声のバトンを渡してるような感じで、それを受け取って私も同じ熱量を次の人に回して、みたいな。そういうのがライヴしてて気持ちいいし、それぐらい頼もしいです」