連載

【Rei’s REPEAT REPEAT!】第7回 今月はナタリー・バーグマン(Natalie Bergman)しか聴いてない

Reiが毎月〈今これしか聴いてない!〉音楽を紹介

卓越したギタープレイとボーカルの魅力で知られる、シンガーソングライター/ギタリストのReiさん。彼女が〈今これしか聴いてない!〉というイチオシの音楽を月ごとに紹介する連載が、この〈Rei’s REPEAT REPEAT!〉です。

第7回でReiさんが紹介するのは、新進気鋭のシンガーソングライター、ナタリー・バーグマン(Natalie Bergman)が今月リリースしたばかりのEP『Keep Those Teardrops From Falling』。彼女のこれまでの歩みを振り返りつつ、その延長線上に実を結んだ新作の魅力に迫ります。

ナタリー・バーグマンの柔らかな歌世界とReiさん独特の文章がもたらす相乗効果を、どうぞお楽しみください。 *Mikiki編集部

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今月はこれしか聴いていない。わたしは音楽も、映画も、食べ物も、一度ハマると狂ったようにそれをリピートする癖があるようだ。みなさんも現実が息苦しい時、すがるような気持ちで音楽を繰り返し聴いた経験が少なからずあるのではなかろうか。

シンガーソングライター/ギタリストのReiです。当連載〈Rei’s REPEAT REPEAT!〉ではわたしがついつい繰り返し聴いてしまう、個人的バズり盤を紹介していこうと思います。

NATALIE BERGMAN 『Keep Those Teardrops From Falling』 Third Man(2021)

今月はナタリー・バーグマンのEP『Keep Those Teardrops From Falling』しか聴いていない。

ナタリーはまさに今年5月にアルバム『Mercy』でデビューしたばかりのシンガーソングライター。シカゴの田舎で生まれ育ったのち、名門音楽大学のバークリーに進学し、音楽活動のためにNYに移住した。兄と一緒に組んでいたバンドで3作リリースしたが、飲酒運転による交通事故で父と継母を亡くし、彼女は悲しみのどん底に突き落とされた。その混沌とする感情の渦を形にしたのがデビューアルバム『Mercy』。狂気を潜ませた柔らかな声色と時代を反映した絶妙なアレンジやソングライティングでたちまち話題になった。

わたしは『Mercy』の直後の7月にベックとタッグを組んでリリースされた“You’ve Got A Woman”でナタリーを知った。ベックのけだるい歌声と、裏声のようなミックスドボイスのような浮遊感あふれるナタリーの歌声が、カフェラテのようにマーブル模様を描くチューンだ。

ナタリー・バーグマンとベックの2021年のシングル“You’ve Got A Woman”
 

そしてその後もナタリーの畳み掛けるようなリリースは止まない。

続いて9月にリリースされたのはかの有名な〈Electric Lady Studio〉で収録されたライブアルバム。わたしも敬愛するジミヘンの“Angel”も歌っているのだが、この曲でもまたわたしは心を射抜かれた……。自然体なのに、隣で慰めてくれているような優しさや愛情も感じられるテイク。朝の窓際で風の薫りを感じながらギターを爪弾いている姿が脳裏に浮かぶすばらしいテイクだ。

ナタリー・バーグマンの2021年作『Live At Electric Lady』収録曲“Angel”
 

そして、満を持して11月5日にリリースされたのがEP『Keep Those Teardrops From Falling』である。ベックから継承したと思われるユーモアを感じさせる打ち込みも散りばめられつつ、耳に息を吹きかけられているようなくすぐったくて、心地のよいグルーヴに心が躍らずにはいられない。特にわたしが大好きなのはタイトルトラック“Keep Those Teardrops From Falling”。

ナタリー・バーグマンの2021年作『Keep Those Teardrops From Falling』収録曲“Keep Those Teardrops From Falling”
 

〈もし君にいつかまた、会えることがあったりしたらね/もう二度と君を離さないよ/雨を吹き飛ばして、君を笑顔にするよ/君の涙が流れないようにするからね〉――“Keep Those Teardrops From Falling”より

歌詞もすばらしいので、ぜひサウンドと合わせて味わってほしい。EPなので曲数も少なく、ほどよく力が抜けている名盤なので、きっとナタリーを初めて聴く方にはぴったりなはず。

 

〈Rei’s REPEAT REPEAT〉第7回、いかがだっただろうか。両者の声の融合が引き立つわたしの最新チューン“Smile!”もぜひあなたのお耳のお守りにしてみて。

Reiの2021年のシングル“Smile! with 藤原さくら”
 

 


RELEASE INFORMATION

Rei, 藤原さくら 『Smile! with 藤原さくら』 Reiny/ユニバーサル(2021)

リリース日:2021年10月15日
配信リンク:https://lnk.to/Rei_Smile_Sakura

TRACKLIST
1. Smile! with 藤原さくら

 

LIVE INFORMATION
Rei presents “JAM! JAM! JAM!”

東京公演
2021年12月10日(金)、11日(土)東京・南青山 ブルーノート東京
各日2ステージ公演
※12月11日(土)2ndショウのみインターネット配信(有料)予定
一般予約:受付中
お問い合わせ(ブルーノート東京):03-5485-0088
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/rei/

大阪公演
2021年12月23日(木)大阪・梅田 ビルボードライブ大阪
2ステージ公演
一般予約:受付中
お問い合わせ(ビルボードライブ大阪):06-6342-7722
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13059&shop=2

■バンド
Rei(ボーカル/ギター)
吉田一郎不可触世界(ベース)
TAIHEI(キーボード)
石若駿(ドラムス)

※今後の社会情勢や政府の方針等により、公演実施の可否、公演時間が変更となる場合がございます。オフィシャルサイト、SNS等で最新情報をご確認いただき、新型コロナ対策をご理解のうえ、ご来場くださいますようお願い申し上げます

 


PROFILE: Rei
卓越したギタープレイとボーカルをもつ、シンガーソングライター/ギタリスト。幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターをはじめ、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める。
2015年2月、長岡亮介(ペトロールズ)を共同プロデュースに迎え、ファーストミニアルバム『BLU』でCDデビュー。
〈FUJI ROCK FESTIVAL〉〈SUMMER SONIC〉〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉〈SXSW Music Festival〉〈JAVA JAZZ Festival〉〈Les Eurockeennes〉〈Heineken Jazzaldia〉などの国内外のフェスに多数出演。2017年秋、日本人ミュージシャンでは初となる〈TED NYC〉でライブパフォーマンスを行った。2021年2月26日、初の海外デビュー盤となる『REI』をアメリカNYに本拠地を置くVerve Forecastよりリリース。

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