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DISH// 『X』 ソニー(2021)

〈THE FIRST TAKE〉効果を弾みにしてアーティストとしての見られ方をガラリと変えることに成功した4人の力作。“猫”に通じるバラード系に強力な魅力を発揮しつつ、はっとりや長屋晴子を起用する進取の気性も光っていました。 *出嶌

 

millennium parade 『THE MILLENNIUM PARADE』 ARIOLA JAPAN(2021)

多くのタイアップ曲を手掛けるなど、2021年は動きが活発だった常田大希の率いるクリエイター集団。この初作では、前身時代の衝動と実験性を抱えたままスマートにメインストリームへ。年末には〈紅白〉にも出演予定だ。 *土田

 

FIVE NEW OLD 『MUSIC WARDROBE』 etichetta/ワーナー(2021)

レーベルを移籍しての本作は、Masato(coldrain)とのコラボ曲をはじめ、初のバラード/日本語詞曲といった〈挑戦〉と、出自のポップ・パンク調からスタカン風などの〈らしさ〉を連ねた一枚に。かつてない風通しの良さが好調の証。 *土田

 

iCE KiD 『星空少年』 WESTa IN a music/Village Again(2021)

レゲエの歌心を起点にチル系にも踏み込んだビートメイカーの2作目。メロウな“Don’t stop trying”で絡む空音とkojikoji、シティー情緒の“流星”で躍るRin音など、ここに名を連ねた旬な面々の活躍も目立った一年でした。 *出嶌

 

JON BATISTE 『WE ARE』 Verve/ユニバーサル(2021)

映画「ソウルフル・ワールド」で躍進したシンガー/ピアニストの大作。古典ジャズからヒップホップまで黒人エンタメ音楽史を内包する持ち味を現代的なクリーンさで表現してみせたエネルギッシュな一枚でした。グラミーにも期待。 *出嶌

 

JUSTIN BIEBER 『Justice』 Schoolboy/Def Jam/ユニバーサル(2021)

ディープにまどろんだ前年の『Changes』から一転、“Holy”や“Lonely”“Peaches”などリスナーに寄り添う色鮮やかなヒットで完全に復権した傑作。キッド・ラロイやドミニク・ファイク、ギヴィオンらゲストの人選も20年代的でした。 *出嶌

 

lyrical school 『Wonderland』 ビクター(2021)

ガールズ・ラップ表現が多角的に進化するなか、パイオニアとしての意気をガッチリ見せつけた新たな代表作。valkneeやRachel、KM、PESらが援護したハイブリッドかつナチュラルな色合いはminanのソロ作にも通底していました。 *出嶌

 

SERPENTWITHFEET 『Deacon』 Secretly Canadian/BIG NOTHING(2021)

エクスペリメンタルなR&Bを標榜して高い評価を集めている才能のセカンド・アルバム。直截的ではないもののコンシャスな断面図はまさに20年代的で、恍惚の歌唱と荘厳なアンビエンスが穏やかな音世界を彩っていました。 *出嶌

 

SIRUP 『cure』 A.S.A.B(2021)

大きなブレイクを経て、およそ2年ぶりとなったフル・アルバム。国内外のクリエイターと積極的に絡んで先進的なモードを血肉化するのはもちろん、荒んだ時代を包むような癒しの歌と言葉に痺れました。 *出嶌

 

SLOWTHAI 『TYRON』 Method(2021)

現行UKシーンの多様さを示すラッパーの2作目。衝撃度はもちろん初作が勝るものの、クウェス・ダーコらによるサウンドのストイックな集中力はこちらに軍配。スケプタやエイサップ・ロッキー、ドミニク・ファイクらの客演にも注目だ。 *出嶌