現体制での2作目。前作は3人の演奏と歌だけで構成された熱量の高い作品で、本作も同様の路線ながら、ブラジル音楽が薫る導入からガレージ・ロックに雪崩れ込む“ノー・ペンギン”など遊び心も垣間見えるし、随所に鍵盤や打ち込みを用いて色味を加えている。大切な人の喪失を歌う“こわれそう”のように、感傷は決して消えないとしても、だからこそ彼らは力強く、できるだけ痛快に演奏している。