GEZAN 3年ぶりのニュー・アルバムは、2021年の〈フジロック〉で初めて姿を現した異形の聖歌隊・Million Wish Collectiveとの連名作。全編でフィーチャーされる合唱コーラス、ハードコアとフリージャズの熱量を併せ持ったハイエナジーなバンド演奏を組み合わせ、エンジニアの内田直之によるダビーなミックスで仕上げられた壮絶な音響絵巻は、混沌を極める現代社会の映し鏡だと言っていいだろう。しかし、ただカオティックなだけではなく、声のみでトラックを構築した“TOKYO DUB STORY”、ゴスペルチックな“萃点”、アフロ・パーカッションを用いた“The Third Summer of Love”など、多彩なアプローチとユーモアのセンスはこのバンドならでは。聴き手の能動性を刺激する、怒りと光のシュプレヒコール。