既に30年前からベルリン・フィルの首席フルート奏者を務め、ソリストとしても世界中で活躍を見せるパユ。これまでアンサンブルも含めワーナーに多くの録音を行ってきており、フルートの枠だけに捕らわれない、楽器の発展性に大きく寄与するアルバムを発表してきたことは承知の通り。そのパユが幼少から魅了され続けているモーツァルト作品に新たな新風を吹き込んだのが当アルバム。モーツァルトのフルート作品は多くないことから今回取り組んだのはヴァイオリン・ソナタで、フルートに最も合った作品を選択し、しかも原調で演奏しているのは驚き。今回も完璧な演奏であり、楽器の可能性の広さに感嘆した。