このところ〈CWF〉というフレーズを呪文のように繰り返し、毎日をニヤニヤしながら過ごしていらっしゃる方も多いのではないだろうか。何を隠そう、私もそう。というのも、メロディックロックバンド、チャンプリン・ウィリアムス・フリーステットがもうじき再来日を果たすのである。日程は9月10日(火)にビルボードライブ大阪、9月12日(木)と13日(金)にビルボードライブ東京にて、実に8年ぶりとなる来日公演を開催する。
AORに精通したその道のベテランはもちろん、現行AORシーンに関心を持ったことをきっかけにこのジャンルに開眼した新規リスナーにとってもおなじみの存在であろうCWFは、いわゆるAORのレジェンドたちの融合体と言うべきバンドだ。
そのメンバーはというと、デヴィッド・フォスターをプロデューサーに迎えたアダルトコンテンポラリー色の濃い楽曲を次々にヒットさせた80年代のシカゴの立役者であるビル・チャンプリン、映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムスの息子にしてTOTOの3代目ボーカリストとして活躍するジョセフ・ウィリアムス、そしてビルやジョセフらによる洗練度の高いウェストコーストサウンドを聴いて育ったスウェーデンのギタリスト、ピーター・フリーステットというラインナップだ。21世紀におけるAORリバイバルを語るうえで欠かせないピーターの2002年作『The L.A. Project』のレコーディングプロジェクトにビルとジョセフが参加したことをきっかけに、3人の親交はスタートした。
2011年、3者の名前を冠したユニットを始動させ、ファーストアルバム『CWF』をリリースした際は、その特別な出来事に胸躍らされたものだが、それがまさか今日まで長く継続されるとはどうにも予想できなかった。ビルとジョセフがピーターのプロデュース能力を買っていて、揺るぎない安心感を抱いているのはあきらかだが、それ以上に3者が揃うことで生まれるマジカルなパワーがたしかにあり、それを楽しみつつ刺激を与え合っているからこそ、CWFはなくてはならない存在であり続けているのだろう。
その事実についてはリスナーがいちばんよく知っているはずで、とりわけ8年前の来日公演に足を運んだファンは、より明確にその事実を認識しているのではないだろうか。ツボを押さえまくった演奏をバックに、優れたボーカリストたちが珠玉のメロディーを自由自在に操る様子は、どんなジャンルの音楽好きでも感銘を受けずにはいられないものだったと思う。
そんなCWFが、再び日本へ戻ってくるのである。しかも充実した内容のニューアルバム『CWF3』をひっさげての帰還だ。4年ぶりとなる新作は〈シカゴ meets TOTO〉なアプローチを中心に据えながら、ブルースやロック、ファンクなどの要素を注入したナンバーを随所に散りばめ、バンドとして新鮮な風を生み出しているあたりが特徴となっている。
元シカゴのジェイソン・シェフがボーカルを採るナンバーが存在感を放っていたり、名盤『Once In A Lifetime』(邦題『シティ・ウォーキン』)で知られるマイケル・ラフがゲスト参加し、自身の2作目『Speaking In Melodies』収録の“I Will Find You There”をリメイクしているなど聴きどころは満載。本作をすでにヘビロテしている方たちにとってみれば、アルバムに込められた音楽的熱量をどのようにライブパフォーマンスへと変換させるのか、そこをもっとも気にされているかもしれない。
でも、新生TOTOならびにスティーヴ・ルカサーのソロプロジェクトに大々的に関わっているジョセフが、多忙なスケジュールをやりくりしながら参加してくれているし、きっとメンバー全員の熱い気持ちが大きなウネリとなってステージ上に渦巻くことになる、ってことだけはしっかり断言できる。
楽しみと言えば、ソロ名義、バンド名義、そして提供曲など彼らが携わった名曲を惜しみなくライブのセットリストに並べてくれることも大きなポイントだろう。『CWF3』の国内盤のみのボーナストラックに収められたシカゴの全米ナンバーワンヒット“Hard Habit To Break”も披露される可能性が高いし、そのほか新たなレパートリーが増えていることにも期待したいところ。とにかく、〈新作どうだった?〉という彼らからの問いに、直に答えられる機会がそこまで近づいてきているのだ。考えれば考えるほど、ニヤニヤが込み上げてくる。
LIVE INFORMATION
CWF(Champlin Williams Friestedt)
2024年9月10日(火)ビルボードライブ大阪
1stステージ
開場/開演:16:30/17:30
2ndステージ
開場/開演:19:30/20:30
https://www.billboard-live.com/osaka/show?event_id=ev-15075
2024年9月12日(木)、13日(金)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:16:30/17:30
2ndステージ
開場/開演:19:30/20:30
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-15076
■チケット料金(飲食代金別)
【大阪公演】
BOXシート:27,300円
S指定席:13,100円
R指定席:12,000円
カジュアル:11,500円(1ドリンク付)
【東京公演】
DXシート DUO:28,400円
DUOシート:27,300円
DXシート カウンター:14,200円
S指定席:13,100円
R指定席:12,000円
カジュアル:11,500円
※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります
■メンバー
ビル・チャンプリン(ボーカル/ギター/キーボード)
ジョセフ・ウィリアムス(ボーカル)
ピーター・フリーステット(ギター)
タマラ・チャンプリン(ボーカル)
ステファン・グンナルソン(キーボード/ボーカル)
ヨハン・フランゾン(ドラムス)
ヨハン・グランストロム(ベース)