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15分ほどのトークのあとは演奏会。これまでも伊藤とライヴで何度も共演してきたヴァイオリニストの土屋玲子をゲストに迎え、伊藤のピアノ(キーボード)とデュオで“オープニングタイトル”と“七英雄バトル”の2曲を披露した。ヴァイオリンとピアノで聴くことで、ファンが〈イトケン節〉と呼ぶバラード調の抒情に満ちた旋律美が、尚のこと際立っていたのが印象的だった。過去のインタビューなどでも度々、バトル楽曲の人気に対して伊藤自身はバトル的な音楽をつくるのが苦手だと公言して憚らないが、だからこそ生まれた独自のボスバトルの音楽が“七英雄バトル”であることがよく分かる演奏であった。演奏後の熱心な拍手のあと、土屋は「悔しいけど天才」と改めて伊藤の才能を褒めちぎってイヴェントは締めくくられた。
トークでは触れられなかったが、ライナーノートのクレジットを見ればエリック・ミヤシロのほかにも日本を代表する凄腕ミュージシャンたちが演奏に参加しており、特にクラシック音楽のファンはオーケストラの首席クラスが揃っていることに驚かされるはず。是非ゲームファン以外にも広く聴かれてほしいところだ。