
――なるほど。ところで彼女たちの演技はどうでしたか?
「最高でした。あんなに英語がうまいとは、ビックリした」
――ほかに気になったシーンを教えてください。
「主人公が、僕がいた頃のメガデスTシャツを着ているところ。Tシャツは衣装代が安くあがるからね(笑)。やっぱりメガデス・ファンは最高ですよ。彼らのバンドに対する愛情は永遠なんです」
――感動的だったのは、メガデスのデイヴ・ムステインが登場してメンバーにメッセージを伝えるシーン。
「実際はムステインじゃない奴ね」
――彼は監督なんだそうです。
「マジで!?」
――名作「アメリカン・グラフィティ」のウルフマン・ジャックの登場シーンを彷彿とさせるナイスな演出でした。
「『アメリカン・グラフィティ』は僕にとって世界一の映画で、あのシーンは伝説中の伝説だから、僕的にはちょっと比較しにくいところもあるけど(笑)、たしかにおもしろかった。ギターの演奏の感じとか立ち姿がすごく似ていたので、本当にムステインかな?と思ったぐらい。本当にこの映画はストーリーもさることながら、見せ方が本当におもしろいし、うまいよね」
――ドイツのメタル・フェス〈ヴァッケン・オープン・エア〉がクライマックスの舞台に用意されています。マーティさんにとってこのフェスとは?
「ガチメタル・ファンにとっての天国のような場所。自分のバンドでヴァッケンに出るときは、日本代表として出ています。トラディショナルなメタルの象徴的フェスだから映画にバッチリ合っているね」
――登場人物で好きなキャラは?
「やっぱりベーシストのクシュトラックス。自分の音楽にとにかく妥協したくない奴。もしも彼が、僕の好きな感じの音楽をやっていたら一緒に働いてもいいかな。僕も似たタイプだから。ただ妥協のなさが成功の邪魔をするケースもあって、一長一短だね。だって僕がベストだと思える仕事にはいつも手前に、どこかで妥協してしまったと思える失敗が必ず存在する。仕方なくやってしまったという反省をいかして、次の仕事につなげればいい。長い人生、エンターテインメントの業界で生きていくには、妥協のタイミングをどう見極められるかが大事なんだよ」
――監督、プロデューサーたちは今後も続編を作る意欲があるみたいです。もしもマーティさんが出演するとしたら、どういう役が似合うと思いますか?
「そうだなぁ、日本に繋がるネタがあると面白いだろうね。『スパイナル・タップ』も日本で大成功するってオチだったし、あと『アンヴィル!』も日本のフェスに出て最後を飾った。やっぱり世界のロック業界から見たら日本って最終的な目的地なんですよ。自分たちの音楽を日本まで届けられたら成功の証しになる。ということで舞台が日本で、ギター・プレイヤー役、あるいは通訳役で出演するとか面白いかも(笑)」
MOVIE INFORMATION
映画「ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!」
監督・脚本:ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ
出演:ヨハンネス・ホロバイネン/マックス・オヴァスカ/サムリ・ヤスキーオ/チケ・オハンウエ/アナトーレ・タウブマン/ヘレン・ビースベッツ/ダーヴィト・プレディン/JUSSI69/SU-METAL(BABYMETAL)/MOAMETAL(BABYMETAL)/MOMOMETAL(BABYMETAL) ほか
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2024年12月20日(金)よりシネマート新宿ほかにて屈辱のロードショー!
公式サイト:https://heavytrip-2.com/