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まったく違う作品にできた

 その『Live At Bush Hall』に向けた曲作りの経験を「ミュージシャンとして曲作りを学び直した。誰かが持ち込んできた歌の骨格や素材をバンド全員で肉付けするというのは完全に新しい体験だったし、誰かの音楽的パレットに基づいたアイデアからBC,NRの音楽と感じられるものを1からクリエイトしていくのは、実に興味深くて楽しかった」(チャーリー)と振り返る通り、以降も個々の創意がバンドを更新し続けてきた積み重ねの成果は、今回の新作『Forever Howlong』にはまざまざと刻み込まれている。

 ジョージア・エラリー(マンドリン/ヴァイオリン)が初めてリード・ヴォーカルを務めた先行シングル“Besties”からもその目覚ましい進化は明らかだろう。ハープシコードやマンドリンが華やかに響く同曲の祝祭感を冒頭に配し、アルバムは全編で新しいBC,NR像を壮麗に披露する。これまで以上にアコースティック楽器を軸に(ルークもほぼアコギを演奏している)スタジオ・ワークを凝らした意匠は、ソフト・ロックやアメリカーナを内包した現代版バーバンク・サウンドと形容することもできるし、英国的なフォークやプログレからの影響を反映しているとも言える。また、歌唱面を女性メンバー3人のみで分け合ったこともバンドの新生ぶりを強く印象付ける点だ。曲作りのプロセスとしては、曲の骨子や歌詞を書いたメンバーがリード歌唱を担当しているようで(ソングライターとしては6人全員がクレジットされている)、三者三様の優美さを融合しながらBC,NRならではの独創性が織り上げられている。

 「女性の視点が加わったことで『Ants From Up There』とはまったく違う作品にすることができた。音楽自体もその影響を受けていると思う」(ジョージア)。

 「いくつかの楽曲は、『Live At Bush Hall』の収録曲を書いていた頃に作りはじめていたと思う。“Goodbye (Don’t Tell Me)”はジョージアがあの時期に書いていたし、“Two Horses”や“Nancy Tries To Take The Night”“Salem Sisters”はたぶん〈Bush Hall〉のすぐ後に書いたんじゃなかったかな。だからそれらの曲は2〜3年近く存在してきたことになると思う」(メイ)。

 「僕らは実に広範囲にわたるツアーをやっていたし、ジョージアもジョックストラップで忙しくしていたから、アルバムに取り組むには相応しくないと感じていた。それが去年の1月になって、すべてにギアが入りつつある感覚になったんだ。この年は自分たちがたぶんアルバムをレコーディングすると思って、そこから本腰を入れていった」(チャーリー)。