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普段の会話で使う言葉を歌詞に

 mei eharaの音楽が海外のリスナーにもすんなりと受け入れられている理由はいくつもあるだろうが、個人的に強く感じるのは、言葉とメロディー、サウンドの関係が不可分に結び付き、なおかつ心地よさと不安感の両方を絶妙に伝えていることだ。それは、坂本慎太郎の音楽が海外で受容されているメカニズムにも通じる。ファースト・アルバム『Sway』(2017年)の頃からすでにそれは提示されていたと思うが(実際、サブスクでいちばんの人気曲はファースト・アルバム収録の“蓋なしの彼”だ)、この新作『All About McGuffin』では、その関係性がよりシンプルに研ぎ澄まされてきていると思える。アルバムの制作を前に進めるきっかけとなった曲だという“まだ早い果物”、リード曲として今年の7月に配信された“悲しい運転手”や“風景が”といった曲で、彼女が見つけた新しい音の景色をはっきりと体感できる。

 「その音にちゃんと言葉がハマっているか、音として合っているかどうかを、私はものすごく重要視して作っています。セカンド・アルバム『Ampersands』(2020年)以前や、ちょっと前まで作ってた曲に比べると、今回は歌詞での言葉の選び方をもっと強く意識しました。難しい言葉をできるかぎり使わず、普段の会話で使う言葉に限定したかった。日本人の耳には馴染みのある言葉だからこそスッと入ってくるだろうし、逆に言えば、意味をそんなに深く考えなくても済む。そういうことが、今回のアルバムを聴いた人がこれまでよりもシンプルに感じる一因になっているのかなとは思いますね」。