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代替不可能な歌声が遺してきたmei eharaの足跡を、参加作品と共に振り返る!

 もともと学生時代に自主制作で映画を作っており、その音楽用に宅録を始めたことでミュージシャンとしてのキャリアを開いたmei ehara。当初はmay.e名義で活動し、2013年から2015年に発表した5枚の自主製作盤ではドリーミーなフォークを奏でていた。活動初期から、凛とした歌声は多くのアーティストを惹きつけ、SUPER VHSやYogee New Waves、ミツメのnakayaanらの作品で歌唱。また、写真撮影やイラスト/デザインの提供、さらに文芸誌「園」の主宰など、音楽家として以外の多岐な分野での活動でもその名を広めていく。

 やがて彼女はKAKUBARHYTHMと契約。同レーベルにおいては2010年のcero以来となるニューカマーということもあり、注目を集めた。2017年のファースト・アルバム『Sway』は、キセルの辻村豪文がプロデュースを担い、ミニマルなバンド・サウンドで芳醇な音世界を構築。そして、2020年のセカンド・アルバム『Ampersands』では、鳥居真道(ギター)、Coff(ベース)、浜公氣(ドラムス)、沼澤成毅(キーボード)という現在も彼女を支えているバンド・メンバーたちと共に、ソウルやレゲエなど音楽性の幅を広げたグルーヴィーなアンサンブルを紡いだ。

 初作以降もヴォーカリストとして引く手あまたで、GONTITIのメロウなボッサ“Hustle and Bustle”、東郷清丸との艶やかなデュエット曲“シャトー”、井手健介と母船によるGS調スカ“ぼくの灯台”、HALFBYのエレクトロ・ラヴァーズ“Fushigi”などに客演。なかでも、フェイ・ウェブスターのラヴコールで実現した“Overslept”は、国内外から注目を集めるきっかけになった。2024年秋と2025年の初春にはフェイのサポート・アクトとして2度のUSツアーを行っている。

 2023年には、Corneliusのシングル“変わる消える”、WONKの鍵盤奏者である江崎文武のファースト・アルバム『はじまりの夜』収録曲“朝日のぬくもり”に参加。麗しさと確かな芯を感じさせる歌声で、いずれの楽曲も彼女特有の色に染め上げていた。

 直近では、細野晴臣のトリビュート盤『HOSONO HOUSE COVER』に参加し、いつになくコケティッシュに“住所不定無職低収入”をカヴァーしていたmei ehara。そんな彼女は、現在(9月中旬)、SE SO NEONのゲスト・アクトとして全米をツアー中だ。今月終盤には本作『All About McGuffin』を引っ提げてのNYやLAを含む4か所でのヘッドライナー公演も控える。彼女の歌はこれまで以上の深度で世界を魅了していくに違いない。 *田中亮太

左から、Yogee New Wavesの2017年作『WAVES』(Roman/Bayon production) 、mei eharaの2017年作『Sway』(KAKUBARHYTHM)、11月1日にリリースされるGONTITIの2018年作『「we are here」-40 years have passed and we are here-』の新装LP盤(ポニーキャニオン)、東郷清丸の2019年作『Q曲』(ALLRIGHT MUSIC)、井手健介と母船の2020年作『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists』(Pヴァイン)、mei eharaの2020年作『Ampersands』(KAKUBARHYTHM)、フェイ・ウェブスターの2021年作『I Know I'm Funny Haha』(Secretly Canadian)、HALFBYの2021年作『Loco』(felicity)、Corneliusの2023年の12インチ“変わる消える”(ワーナー)、江﨑文武の2023年作『はじまりの夜』(Ayatake Ezaki/Beats On Wax)、2024年のカヴァー盤『HOSONO HOUSE COVERS』(KAKUBARHYTHM/Bayon Production/medium)