いっちょ未来を歌いますか
――EPの収録曲については?
林「メジャー1発目、EPを作りましょうとなって、〈よっしゃやるぞ!〉という気持ちで作ったのが1曲目の“オデッセイ”で。3曲目の“ハイウェイ・ラピスラズリ”は2025年の1月くらいからあった曲で、ライブでもやっていたんです。4曲目の“或星”は再録で、〈もう1曲ほしいね〉ということになり、2曲目の“稲の妻”を作ったという感じですね」
――“オデッセイ”はよだかの世界観に直結している曲だし、林さんの曲の良さがすごく出ていますね。
田淵「めちゃくちゃいいですよね。メジャーから出すということで、インディーズ時代のベスト的なものもいいんですけど、〈これこれ!〉という曲が作れれば、それをリード曲にするのがいちばんいいんじゃないかなと。だいぶ追い込まれていたみたいだったけど」
林「追い込みました(笑)。でも、プレッシャーを感じていたわけでもなくて。トイズファクトリーからデビューするなんて想定はまったくなかったし、お話をいただいて〈マジすか! やります!〉って即答したんですけど、そこから〈自分が多次元制御機構よだかが好きな少年だったとして、どんな曲でメジャーデビューしたらうれしいかな〉と考えて。少年時代の自分のなかに潜るような感じで作ったのが“オデッセイ”なんですよね。
あと、これまでのよだかの曲は、過去という絵の具を使ったものが多くて。特にインディーズ時代のEP『PILOT』に入っている“曲名”という曲は、これまでの自分の人生を清算するような感じだったんですよ。メジャーデビューが決まって、どう考えても、未来を歌い始めなくちゃいけないなと。〈いっちょ未来を歌いますか〉みたいな感じもありましたね」
――しかも田淵さんが全曲、ベースで参加していて。田淵さんと鈴木浩之さんのリズム隊、強力ですよね。
林「心強いです」
田淵「最初は〈メジャーだからって、生でベースとドラムを録る意味ってある?〉とも思っていたんですけど、やってみたらすごく良かったです。林くんがデモ音源である程度イメージを作ってくれるので、そこから大きく逸れることもなく。ライブで『ODYSSEY』の曲を弾けるのもうれしいし、〈音楽っていいな〉が溢れる現場なんですよ」
林「それ、大事ですよね」
田淵「すごく大事。何ていうか、ワクワクする感じがあるんですよね。あれこれ試して〈今のは面白かった〉、〈今のはサムかった〉みたいなのも楽しいし、林くんも楽しみながらやっていて。なので僕らも楽しいっていう」
林「田淵さんが楽しいなら何よりです(笑)。以前、田淵さんに〈楽しんでやんなさいよ〉みたいなことをアドバイスでもらってそうなっているところもあるんですけどね」
田淵「そんなこと言ったかな(笑)。でも、参加する側としても〈あの現場に行きたい〉と思えるのは大事なことで。プロデュースするときはいつも言っているんだけど、関わるミュージシャンやスタッフが〈この現場は楽しい〉と思ってくれないと、いつか飽きられるんですよ。いい空気をつくるのはやっている本人たちだし、関わってくれる人たちが〈この現場が楽しい、来たい〉と思ってくれたら、そのバンドやユニットが続く理由になるので」