自由に聴いてもらえたら幸せ
聴き進めていくと、アルバム・タイトルの『tone』は、彼女が持ち得る歌声のさまざまな〈トーン〉を指すもの、その多彩さが詰まった作品だと感じることができるが、実際に彼女自身が表題に込めた思いはどうだったのだろう。
「〈tone〉には、〈音色〉〈色合い〉〈調子〉〈色の濃淡〉とかそんな意味がありますが、今回このアルバムには、きっと皆さんの中で定着しつつあるだろうUruの深く濃いトーンのバラードから、淡く軽やかなトーンの明るい曲まで、いろいろな濃淡の曲が揃っています。そして、その曲によって私の声のトーンも違っていたり……なので、曲順は結構悩みました。“さすらいの唄”を聴いた後に“プラットフォーム”を聴くとだいぶ声のトーンというか温度がわかりやすく違っているかと思います。それと同様に、日々過ごしていると、その日によって心の調子が違ったり、一日の中でも細かく移り変わったりすることもあると思いますが、このアルバムの曲たちが、そのときの皆さんの心のトーンに優しく寄り添えたらいいなという想いをこのタイトルに込めました」。
6月にはデビュー10周年を迎えるUru。『tone』は活動10年の集大成という捉え方もできるし、久々のツアーも発表され、近々の活動も楽しみだし、彼女に寄せる思いには頼もしさ……しかない。
「聴きたいときに聴きたい曲を自由に聴いてもらえたらそれだけでとても幸せなのですが、例えば、大事な日で意気込んだりするときや、寝るとき、歩くときなど、皆さんの日常のルーティンの中にお邪魔できたらとてつもなくうれしいですね。でも本当に、日々の生活の中で聴きたくなったときに聴きたい曲を自由に楽しんでもらえたらなと思います。ツアーは、初披露の曲がたくさんあるので緊張の連続になると思いますが、ようやく皆さんとまた音楽を共有できる機会なので、しっかり楽しんでいこうと思います」。 *久保田泰平
back numberの2023年作『ユーモア』(ユニバーサル)