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足を止めるこの瞬間にも祈りだけは置いていける

起承転結の〈転〉にあたる3つ目のブロックでは、それまでの熱狂から少しムードが変わる。抑揚の効いたハードなナンバー“WINDOW開ける”では、どこか諦念に満ちた孤独感を纏いながら〈おしまい おしまい さよならよ〉と、柔らかなアンサンブルで丁寧に届けられた“クローバー”では〈未来のパズルに続いてる〉と歌う。バックモニターに流れ星が飛び交った“harmonized finale”では、念を押すように〈また会えるまで 会える日まで〉というフレーズが放たれた。

私には、これらの言葉がいつかまたユニゾンが始まることへの祈りのように思えた。それは田淵にも斎藤にもまだ見ぬ未来なのだろう。しかし足を止めるこの瞬間にも祈りだけは置いていける。そんなバンドの意志を、きっと誰しもが受け取ったはずだ。

その祈りの先にある〈結〉のブロックは、剥き出しのユニゾンを惜しみなく伝える時間だった。万人からの共感を拒みつつ、〈近づき過ぎないで ちょうどいい温度感であれ〉と歌う“さわれない歌”を皮切りに、バンド名を想起させる初期からのアンセム“箱庭ロック・ショー”、ライブのクライマックスの定番曲“ガリレオのショーケース”と、彼らの核心部に迫るナンバーが並ぶ。“ガリレオのショーケース”では鈴木が腕をぶん回しながら見事なドラムフレーズを決め、間奏では田淵が斎藤を追いかけた後、斎藤が田淵を追いかけるというお決まりの戯れもあり、ユニゾンにおけるいつもの景色が広がっていく。積み重ねてきた歴史がこうした一瞬にも見え隠れしていた。

そうした変わらない光景を目撃した後に、この日の公演名にもなったメジャーデビューシングルの表題曲“センチメンタルピリオド”が鳴らされた。その直後に“徹頭徹尾夜な夜なドライブ”で爆発的な大騒ぎをもたらすあたり、なんともユニゾンらしい。

バックモニターに客席を映し出し、幕張メッセに集まった観客はもちろん、配信で見ている多くのオーディエンスに向けても届けた“シュガーソングとビターステップ”を経たラストナンバーは、“Catch up, latency”。歩んできた道はジグザグだが、だからこそ美しいハーモニーが生まれ、3人の個性がバラバラだからこそバンドとして響き合い、奏で合えた。そんな想いを胸に〈敬具、結んでくれ 僕たちが正しくなくても〉と締めくくられる、あまりにも理想的なフィナーレだった。