〈根源〉に辿り着くまでの足取り
本稿では、以前のbounceで大きく紹介した2011年8月リリースの前作『DUM SPIRO SPERO』以降のDIR EN GREYの動きを、作品を軸に振り返っていこう。
同作を引っ提げて国内外を巡った彼らは、翌12年1月、2008年の名作を新装した『UROBOROS[Remastered & Expanded]』を発表。
これは『DUM SPIRO SPERO』を手掛けたチュー・マッドセンにリマスタリングを依頼したもので、いわゆるリマスターに止まらずミックス作業から再度行われ、日本語詩への差し替えやカップリング曲の追加収録も含め、バンドの現在のモードによって過去の名作を再解釈するという異例の試みとなった。が、その発表直後となる2月には京の不調からバンドは活動停止を発表、北米ツアーもキャンセルする事態となってしまう。それでも半年後にはツアー開催と共に復活を力強くアナウンス。途中に〈LOUD PARK〉出演も挿んで、年末には深遠なスケールのシングル“輪郭”を無事にリリースしている。
なお、その間に発表されたDragon Ashのシングル『Run to the Sun / Walk with Dreams』では、急逝したIKUZONEと親しかったToshiyaがリミキサーに起用されていたのも忘れちゃいけない。
Dragon Ash 『Run to the Sun / Walk with Dreams』 MOB SQUAD(2012)
明けて2013年。4月にはプログレッシヴな新曲“Unraveling”を軸に、過去ナンバーの大胆なリテイク群で編み上げたミニ・アルバム『THE UNRAVELING』を上梓。
その後は日本国内はもちろん、UKの〈Download Festival〉出演を含む欧州ツアーや北米ツアーを精力的に敢行していった。並行して10月には翌年4月にアルバム『IMMORTALIS』の完成を見る京のソロ・プロジェクト=sukekiyoが始動。
また、敬愛するDEAD ENDのトリビュート盤『DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-』にて、ShinyaがHYDE(L’Arc~en~Ciel)、HIRO(La’cryma Christi)、岡野ハジメと共に“Embryo Burning”を披露したのもこの年のトピックだ。
VARIOUS ARTISTS 『DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-』 motorod(2013)
そして……3月の日本武道館2デイズを以て『DUM SPIRO SPERO』に伴うツアーを集大成した2014年。1月のグルーヴィーなシングル“SUSTAIN THE UNTRUTH”は、来るべき『ARCHE』へと彼らが向かう最初の一撃となった……。