全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は2014年12月度の邦楽編です!!

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タワーレコードの本社にて行われるタワレコメンの会議。洋楽編のミーティングに続き、腕利きバイヤーたちがオススメの邦楽アイテムを持ち寄って会議室へ集結します。何百タイトルという山のような新譜のなかから選ばれた計7作品の音源を聴き比べながら、熱い議論が繰り広げられました。そんな厳しい予選を勝ち抜いて12月度のタワレコメンに決まったのは……以下の3タイトル!!

 

★2014年12月度〈タワレコメン〉邦楽編:選出アイテム

 

Brian the Sun Brian the Sun pointblanc(2014)

 関西の4人組バンド、Brian the Sunによる自らの名前を冠したセカンド・アルバムが、王道のギター・ロックを堂々と響かせタワレコメンの座を獲得! ライヴァルが多いこの手のサウンドですが、ほかよりも頭一つ抜けていたのは〈森良太(ヴォーカル/ギター)くんの声が最高だし、歌詞もひねくれていて一筋縄ではいかない!〉という担当者の言葉通り、芯にある〈歌〉の魅力も大きいのでは!? あえて“神曲”と謳って上げたハードルを、ど真ん中のギター・ロックを武器に飛び越えようとする不敵さは間違いなくロック!

 

【推薦コメント:渋谷店 小林】
渋谷店のスタッフが兼ねてから応援してきた4ピース・ギター・ロック・バンド、Brian the Sunをついにタワレコ全店でプッシュする日が…!! 今回のタワレコメンのほか、人気イヴェント〈スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015〉にもTHE ORAL CIGARETTESや04 Limited Sazabys、HAPPYらと共に出演が決定するなど、今期間違いなく来る予感しかしないこのバンド。〈王道〉、そんな言葉通り直球勝負のギター・ロックを鳴らす彼らだけど、良い意味で期待を裏切り新境地を切り開いたのが今作と言えるのでは。いまの自分たちの技術の限界へ挑戦したというテクニカルなサウンドが光る“早鐘”や、森良太(ヴォーカル/ギター)の歌声がなんともエモく響く、バラードながら作品の中でも存在感たっぷりの“白い部屋”をはじめ、あらゆる方向に振りきれてる楽曲が集まり、バンドの振り幅の広さに驚かされる1枚に仕上がっている!! うん、これはセルフタイトルも納得。

 

 

Homecomings Somehow,Somewhere felicity/SECOND ROYAL(2014)

先月夜の本気ダンスと同様に、4店舗のスタッフから推薦がカブった京都の4ピース・バンド(女子3人と男子1人)、Homecomingsの待望のファースト・フル・アルバム『Somehow,Somewhere』。9月に発表した平賀さち枝とのコラボ・シングルの時点でもフル作に対する期待はビンビンだったので、今回の選出は順当なところ? 肝心の内容は、これまでいい意味でヘナチョコだった演奏と特徴的なコーラス・ワークがすっかり達者になって、ギター・ポップネオアコを軸にするインディー・ポップ流儀のサウンドも力強く多彩に進化。鉄板です!

 

【推薦コメント:新宿店 黒沢】
いま、京都インディー・シーンはとにかく熱い!! その大本命ホムカミことHomecomingsから遂にフル作が届いた!! US/UKインディーのマナーを消化したキラキラのサウンドと絶妙なコーラスは甘酸っぱさ満点。洋邦問わず音楽ファンを虜にする事間違いなし!!

 

 

 

世界のきたの ROSE RECORDS(2014)

 「実は現時点ではあまり情報がないのですが、単純に音楽が凄くて推薦しました!」という担当者の素直な意見が、何よりもその魅力を物語っている世界のきたののファースト・アルバム『こ』(ネーミングのセンス!)。曽我部恵一のハートを射止めROSEから届けられた初の全国流通盤は、SE混じりのインタールードを適所に配したコンセプチュアル&末恐ろしい完成度を誇る出来栄えに。フィッシュマンズ相対性理論北園みなみと……など思いつくがままに挙げても実像に近づけない、孤高の音世界!

 

【推薦コメント:本社 中村】
曽我部恵一氏がその才能に惚れ込んだという逸材、世界のきたの。日本語で紡がれた歌詞は既視感のある未体験ゾーンへと誘い、その研ぎ澄まされたバンド・サウンド、ときに変拍子の上で踊るように自由で伸びやかで少年性のある歌声は、ほかの何にも形容できず……。すべての曲が泣けてくるグッド・メロディー。聴いていて興奮がやまぬうちに一枚が終わってしまいます。曲間を埋める自然音まで含めてひとつの作品。圧倒的。

★試聴はこちら

 

ということで、すべてバンド編成のサウンドながら、まったくタイプの違った作品が選ばれた12月度の〈タワレコメン〉邦楽編。全アイテムが発売済みですので、ぜひ視聴してお気に入りの一枚をゲットしてくださいね! 次回は2015年1月度のレポートを掲載する予定なのでお楽しみに!