カナダ・トロント出身のインディーポップバンド、オールウェイズ(Alvvays)が5年ぶり、待望のニューアルバム『Blue Rev』を2022年10月7日に発表した。本作は、キュートな歌や胸を締め付けるメロディーといった彼ららしさがさらに洗練・強化され、シューゲイズから実験的シンセポップまで多彩なアプローチを聴かせる見事な傑作。Homecomingsの畳野彩加、福富優樹が語るとおり、他とは違う特別なバンドであることを、またも証明してみせたのだ。今回はアルバムのリリースに合わせて、彼らの音楽に魅了されている畳野と福富がその魅力を語った。聞き手は、音楽ライターの松永良平(リズム&ペンシル)が務めた。 *Mikiki編集部
オールウェイズは他とは違うすごいバンド
──実は、オールウェイズとHomecomingsはキャリアが同期くらいですよね。
畳野彩加「オールウェイズのファーストアルバム『Alvvays』が2014年リリース。私たちが一番最初のミニアルバム『Homecoming with me?』を出したのが2013年だから、確かにほぼ同時期ですね」
──彼らの存在を知ったのはいつ?
福富優樹「ファーストが日本で発売された頃、僕はタワーレコード京都店で働いていて、入荷した商品として知ったのが最初だったと思います。多屋澄礼さんが解説を書いていた国内盤とかを〈インディーポップ〉というコーナーで展開してて、すごい売れたんですよ」
畳野「へえー!」
福富「自分でも買って〈めっちゃいい!〉と思った、それが最初です」
畳野「私は、きっかけは覚えてないんです。だけど、めっちゃ聴いてましたね。初めて聴いたときの印象もよく覚えてます。それまでにもヴェロニカ・フォールズ(Veronica Falls)、トップス(Tops)、サマー・キャンプ(Summer Camp)あたりを聴いてて好きだったんですけど、〈オールウェイズはなんか他とは違う。すごいバンドだな〉と感じたんです」
──その違いって何だったんでしょうね?
畳野「ギターの音を一回聴いただけですぐ彼らとわかるところ? 何回も聴き返したくなりましたね。特別感がありました」
福富「ギターポップなんやけどシンセもいっぱい入っていて、その感じがキュンときた。シンセの音がロケットシップ(Rocketship)っぽいなと連想したりしたし。曲ごとのバラエティーもあったし、作り込まれてましたね。
1曲目だけめちゃいいだけで、アルバムも1枚だけで解散した、みたいなギターポップのバンドって結構いたんです。僕らはファーストを出したばかりで、そういうバンドみたいにならないようにいいアルバムを作ろうと考えてた頃だったんで、オールウェイズのアルバムの完成度の高さには余計にシンパシーを感じた気がします」