ということで登場したアニヴァーサリー・コンピ『ShadyXV』。2枚組仕様のうちDisc-2は、これまでのベスト・ヒット集という感じで、50セントの“I Get Money”を皮切りに離脱した面々の楽曲も並べ、陣容のさまざまな移り変わりも改めて確認できる内容だ。ボートラに収められたエミネム“Lose Yourself”のデモも興味深いものだろう。

VARIOUS ARTISTS 『ShadyXV』 Shady/Interscope/ユニバーサル(2014)

 とはいえ、ひしめき合う現シェイディ・オールスターズがビッグな巻き返しの予感をビンビン放ちまくるDisc-1にこそ本作の意味があるのは言うまでもない。なかでもノリにノッているのはエミネムで、ソロ曲やバッド・ミーツ・イヴィルでの“Vegas”を披露するほか、プロデューサーとしてもイキイキ大活躍。シーアや馴染みのスカイラー・グレイとのコラボ曲はシングル向けでもあるのだろうが、一方で旧友ヤング・ジーやペイス・ワンに言及した“Fine Line”などで披露する鬼のライミングには凄まじいものがある。

 他にはロイスがプライムを結成した縁からスローターハウスがDJプレミアとの合体を実現させた“Ya’ll Ready Know”もバッチリだし、イェラウルフの単独2曲も泥臭い独自路線が良い。さらにエムは不在ながらD12久々の新曲“Bane”も聴きものだ。以上3組は2015年にアルバム・リリースが予定されていて、直接的にシェイディの今後を占う材料となろう。

 さらに今後への期待という点では、本編ラストに収まる“Detroit Vs. Everybody”も重要。エムとロイスに加え、旧知のトリック・トリック、軽く揉めていたダニー・ブラウンとビッグ・ショーン、そして“Try Me”が話題な新進女性のデジ・ローフと、同郷のMCだけでマイクを繋いでいるのだ。先述の“Bane”ではマーヴワンが制作に関与していたし、もしや今後はシェイディにおいてもデトロイトが一つのキーワードになっていくのだろうか?

 

▼『ShadyXV』に参加した外部アーティストの作品を紹介

左から、シーアの2014年作『1000 Forms Of Fear』(Monkey Puzzle/RCA)、スカイラー・グレイの2013年作『Don’t Look Down』(Kidinakorner/Interscope)
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▼“Detroit Vs. Everybody”参加アーティストの関連作を一部紹介

左から、トリック・トリックの2008年作『The Villain』(eOne)、ダニー・ブラウンの2013年作『Old』(Fool’s Gold)、ビッグ・ショーンの2013年作『Hall Of Fame』(G.O.O.D./Def Jam)
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