別掲コンピで顔見世したシカゴ出身ラッパーの8曲入り初作。ジェフ・ベースらを伴って全曲に関与したエミネムの音作りは、“Bohemian Rhapsody”ネタもイロモノに響かせないストイックなもの。西っぽいノリもあるマイク捌きの獰猛さはEPサイズでも十分伝わるが、単独作はこれっきりとなった。 *出嶌
カニエ・ウェストとの同日リリース対決で大いに盛り上げた3作目(結果は僅差で敗北)。メアリーJやエイコンらこれまで以上に客演陣は幅広く、ジャスティン・ティンバーレイクとのフレッシュな“Ayo Technology”が話題になりつつ、エイペックス製の“I Get Money”でストリートにも訴求。 *Masso
別人格たるスリム・シェイディの〈再発〉を謳って話題を呼んだカムバック作だ。全米1位を奪取した“Crack A Bottle”での横綱相撲と初期の悪趣味ぶりや病みが入り交じる雰囲気。ドクター・ドレーが丸ごとを手掛けた現時点で最後のアルバムでもある。 *出嶌
50 CENT 『Before I Self Destruct』 Shady/Aftermath/Interscope(2009)
前作リリースの時点でほぼ完成を伝えられていたものの、結果的には2年を経て出ることとなったシェイディ/アフターマスからの最終作。ゲストを最小限に絞り、己にフォーカスした劇画チックなハードボイルドさを漂わせた作風で同名の映画も製作。ニーヨとのコラボ曲がヒットした。*Masso
文字通り全快(リカヴァリー)し、前作から短いスパンでリリース。リアーナが客演した壮大な大ヒット曲“Love The Way You Lie”を筆頭に、リル・ウェインやピンクとのド派手なコラボも収録。ドレーが一歩引き、ボーイ・ワンダやジム・ジョンシンら新顔のビートも多数採用している。 *Masso
ロイスとD12の不仲によって疎遠になっていたコンビ。当初は『Relapse 2』で予定されていたらしい共演が、丸ごと一枚にまで膨らんだ再会盤だ。マイクの応酬でハードコアに迫りつつ、ブルーノ・マーズの歌唱がすこぶるキャッチーな“Lighters”で餌を撒くバランスの良さは『Recovery』以降。 *出嶌
エミネムを思わせるハイトーン・フロウを武器とするアラバマ産フッドスターのシェイディ加入1発目は、キッド・ロックにリル・ジョン、ディプロら多彩な顔ぶれが参加。エミネム&ギャングスタ・ブーという並びも刺激的な“Throw It Up”などレーベルに新風を吹き込んだ。 *Masso
エミネムの後ろ盾を得てバスタ・ライムズやスウィズ・ビーツら、大物たちの援護射撃も受けた完全メジャー仕様の昇格第1弾。プロデューサー陣にも豪華なメンツが揃い、なかでもエイラブミュージック作の“Hammer Dance”が最高にクールでドープ。 *Masso
EMINEM 『The Marshall Mathers LP 2』 Shady/Aftermath/Interscope(2013)
2000年の大ヒット作『The Marshall Mathers LP』の続編。巨匠リック・ルービンとの初顔合わせした“Berzerk”にギネス認定の高速フロウを披露した“Rap God”、さらにはリアーナやケンドリック・ラマーとのコラボなど、パート1にも負けぬトピック多数なモンスター・アルバムだ。 *Masso