エミネムが地元デトロイトの仲間たちと組むグループのファースト・アルバム。ファニーなサウンドとクセになるフックが印象的な先行曲“Purple Pills”をはじめ、エミネムもメンバーのひとりとして肩の力を抜いて参加しているよう。師匠のドクター・ドレーも参加。 *Masso
MCバトルを題材にしたエミネム主演映画のサントラで、“Lose Yourself”が初の全米No.1シングルに。50セントが代名詞的な路上チューン“Wanksta”など4曲、オービー・トライスが2曲でマイクを握るなど〈次〉への仕込みも万全だ。デナウン・ポーターがイグジビットやラキムを手掛けたのも新鮮。 *出嶌
50 CENT 『Get Rich Or Die Tryin’』 Shady/Aftermath/Interscope(2003)
日本でもゴールド認定を受けた世界的ヒット作。シェイディ的にはポーターのプロデュースしたトロピカルな“P.I.M.P.”の大ヒットがトピック。エミネムもみずからマイクを握った“Patiently Waiting”などで裏方としての手腕を発揮している。 *出嶌
50セントに続いてシェイディと契約したソロMCということでアフターマス人脈からも錚々たるメンツの揃った、期待度の高さを窺わせるファースト・アルバム。同郷のエミネム譲りなマイクはポップからコア路線まで器用にこなし、そのエミネムとドレー参加の“Shit Hits The Fan”が秀逸。 *Masso
存在を大きくしていくなかでの2作目。グループ内格差を笑いに昇華した“My Band”などでユーモアも見せつつ、トラックボーイズやカニエ・ウェストら外部の血も入れて作風の広がりをアピールしている。初期メンバーの故バグズが登場するスキットの後に“Good Die Young”が続くのだが……。 *出嶌
スリム・シェイディを葬り去り、結果的には長いブランク前のラスト作となったソロ5作目。“Spend Some Time”にスタット・クオーを招いたり、“Mosh”で反ブッシュを訴えたり、表題曲で〈『Detox』は俺が出させるから!〉と言い放ったり、懐かしい……。 *出嶌
初週セールスが100万枚を突破するほどの人気絶頂期に放たれたセカンド・アルバム。“Candy Shop”などオーヴァーグラウンド向けのヒットも放ちつつ、“Piggy Bank”では天敵だったファット・ジョーらをディスして攻撃性に衰えはナシ。“My Toy Soldier”などエミネムが4曲をプロデュース。 *Masso
文字通りの第2ラウンド。エイコンが歌いまくる“Snitch”やブリック&レースとの“Jamaican Girl”で新たなポップ性の獲得に挑みつつ、同郷デトロイトの先達ビッグ・ハークとトリック・トリックを招いた“There They Go”やウィット&ペップ制作の“Cry Now”で地元にも目配せ。地味ながらも好盤。 *出嶌
VARIOUS ARTISTS 『Eminem Presents The Re-Up』 Shady/Interscope(2006)
親友プルーフの急逝後に登場した初のレーベル・コンピ。前年の“Like Dat”で鳴り物入りのデビューを飾ったスタット・クオーをはじめ、キャシスにボビー・クリークウォーターといった新顔をプッシュして軍団の新生をアピール。失意を隠しきれない(?)エミネムと気を吐く50の姿が対照的だ。 *出嶌