ファレルの“Happy”がお茶の間で流れ、インディーR&Bや〈ロバート・グラスパー以降〉の流れが日本にも目に見える形で浸透したいま、この入江陽の2作目はまさにジャストなタイミングの一枚だと言える。プロデューサーは大谷能生で、ジャズ、ヒップホップ、エレクトロを横断する彼のドープかつエレガントなトラックと、歌謡曲的なエッセンスも含む日本語詞の組み合わせが非常に新鮮だ。Shiggy Jr.の池田智子やSIMI LABのOMSBといった旬な客演陣の配置も効果的で、Yasei Collectiveの別所和洋がピアノを弾くバラード“JERA”では、入江の甲高くソウルフルな歌声を堪能できる。『WORK』を最後にまさかのアイドル化を果たし、ブラック・ミュージックにより接近した清竜人の姿とも重なるような。